本塁打を放った際に三塁コーチと跳んでハイタッチ
巨人で2年目を迎えたトレイ・キャベッジ外野手が、ともにチーム2位の7本塁打、14打点の成績を残し、活躍している。豪快な打撃だけでなく、全力疾走や守備でも果敢なダイビングなど、助っ人らしからぬ100%全開のプレースタイルで、多くのファンから愛されている。
1年目だった2025年はチームトップの17本塁打を放った。ダイヤモンドを一周する際、三塁ベースを回ったところで三塁のコーチャーズボックスを任されていた松本哲也外野守備兼走塁コーチと飛び上がってハイタッチし、ホームへと歩を進めていくのがお馴染みの儀式となっていた。
身長188センチのキャベッジに対して、松本コーチは168センチ。20センチの差はあれど、同年7月の時点で41歳とまだまだ若く、手を伸ばしての軽快なジャンプでキャベッジと空中で手を合わせていた。
松本コーチは今季から日本ハムの野手コーチに就任。存続が危ぶまれた“名物シーン”だったが、新たに三塁コーチを務めている川相昌弘ディフェンスチーフコーチが“大役”を引き継いだ。
「キャベッジがジャンプしているので、合わせてあげようとしている感じですね。ほんと、それくらいですよ」
“ハイポジション”の松本流、今年は着地で合わせる川相流
サラリと明かしたが長身助っ人とのコンビネーションは、今や阿吽の呼吸となりつつある。キャベッジは昨年同様に高く飛ぶ。松本コーチは自身の最高到達点でタッチしていたが、川相コーチはキャベッジの下降に合わせて“時間差”で小さく跳ねる。
ステップを踏むかのように小さく“ピョン”。そうすることで、ほぼ同じタイミングで着地することになり、その瞬間にタッチしたり、グータッチをしているのだ。実は川相コーチから相談したことで生まれた形なのだという。
「どうやればいいか本人に聞いたんですけど、そうしたら『ジャンプして、じっとしておいてくれ。上からドンとやるから』って言われたんです。本当は高いところでなんかやった方がいいんだろうけど、無理だとわかっていて、向こうも気を使ってくれているんじゃないかな」
連続写真で見る、キャベッジと川相コーチの“ジャンピングタッチ”【写真:イワモトアキト】

① キャベッジが高く跳び、川相コーチも合わせる

② 距離を詰めながらタイミングを合わせる

③ 川相コーチは小さく“ピョン”

④ 最後は着地のタイミングでタッチ
「たくさんやってくれたらチームのためになる」
176センチでキャベッジとの身長差は松本コーチよりは少ないが、61歳の川相コーチは2年前に腰痛に悩まされて一時期離脱も経験している。そこは助っ人の優しさということだろう。
「もうちょっとジャンプしてあげたらいいなとは思っているんですけど、そうはいかないので」と苦笑い。ただ、ファンの間では、そんな川相コーチが繰り広げる“2026年バージョン”も話題となっている。
小さく飛び跳ねる様子が「かわいい」といったものや、それこそ「腰が心配」といった声がSNS上に並んでいる。「いや、まあまあ、ちょっと(話題に)なっているのは知っています」と川相コーチ。そして、こう続けた。
「もっとたくさんやってくれたらチームのためになるので、はい。それはいいことかなと思っています」
現役時代は職人でならしたレジェンドコーチは、今年はあと何回、絶妙なジャンプを見せてくれるのだろうか。儀式の数だけ、巨人は白星を積み重ねているはずだ。
(湯浅大 / Dai Yuasa)

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