【著者に聞く】『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファンを知りましょう』ファン歴23年の牛窪恵が語る、阪神ファン幸福論

ジェット風船を飛ばす阪神ファン(スポーツ報知/共同通信イメージズ)

 アイドルやアーティスト、スポーツ選手、ゲームやアニメのキャラクターなどを応援する取り組みを「推し活」と呼ぶ。推し活が幸福度を高め人生を豊かにするというデータもあるが、激しい推し活で有名なあのファン層はやはり相当に幸せなのか。『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファンを知りましょう マーケッターが気づいた「効果と法則」』(集英社)を上梓した、自身も熱狂的な阪神タイガースファンとして知られるマーケッターの牛窪恵氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)

──牛窪さんが熱烈な阪神ファンであることが本書からうかがえます。

牛窪恵氏(以下、牛窪):東京で生まれ育ったこともあり、私はもともと読売ジャイアンツのファンで、一時は熱狂的にジャイアンツを応援していました。でも、いわゆる「江川事件」と「KKドラフト事件」を経て、いろんなモヤモヤを感じてしまい、その後、西武ライオンズ、ヤクルトスワローズ、福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)と異なる球団のファンを転々としました。

 転機は、阪神タイガースがリーグ優勝を果たした2003年。優勝を決めた日に劇的なサヨナラ打を打った赤星憲広選手を、星野仙一監督が迎えて抱きかかえたシーンを見て思わず心奪われたのです。以来23年間ずっとタイガースを応援しています。

──かなり球場を訪れて応援されるようですね。

牛窪:いまはリーグ戦が年間143試合ありますが、毎年およそ40試合を球場で観戦します。つい先日も阪神甲子園球場に「参戦」してきました。

 関東と関西で見る割合は約半々ですが、さすがに仕事がらみでないと甲子園に多くは行けないので、関西のレギュラー番組を数本持って、前後泊などしながら観戦に行きます。例年、沖縄キャンプがある2月には、なるべく沖縄で講演などの仕事を入れてくれるようにとスタッフにお願いしているぐらい。

 私は入団以来、森下翔太選手が推しですが、キャンプでのチェックポイントは、彼がどんなバットを試しているかや、打った時の音の具合、スイング速度、体調の良し悪しなどですね。

 キャンプではチーム全体の状態も確認しますが、特に新人の状態はよく見ます。すさまじい量の練習を経て二軍から上がってきた福島圭音選手の姿などを見ると、とてもうれしいし、ファンとして誇らしい気持ちにもなります。

 応援していて強い幸福感に満たされるのは、点が入って六甲おろし(阪神タイガースの球団歌)を歌う時です。特に甲子園では、周りに座っている知らない方々ともハイタッチをします。先日も、なかなか買えなかった阪神タイガースのウエハースをいただきました。その場で出会った方々ともすぐに会話し、1つの「家族」になれるような空気感も阪神ファンの特長です。

──本書ではさまざまなデータが紹介されていますが、阪神のファンは、他のチームのファンよりも熱量が高いという印象を受けました。なぜここまで強く阪神を愛することができるのでしょうか?

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