このエントリーをはてなブックマークに追加

6回裏無死、佐藤の打球を追い交錯する中堅手花田(左)と左翼手細川。捕球できず三塁打となる

6回裏無死、佐藤の打球を追い交錯する中堅手花田(左)と左翼手細川。捕球できず三塁打となる

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇17日 阪神2―1中日(甲子園)

 公式記録員の判断は「三塁打」だったが、外野守備担当の平田コーチいわく「防げたミス、防げたヒット」。つまり記録には残らない拙守から、勝利は遠のいていった。

 6回。1点だが勝っていた。佐藤の打球は左中間に上がった。中堅・花田が追う。だが左打者の打球はスライスする上に、浜風が押す。逃げていく打球に花田も追いついたが、左翼・細川も待っていた。

 「僕のボールだと思って、僕は声を出していました。落下地点にも入っていたんですが…」

 これが細川の言葉。だが、実は花田もほぼ同じことを言っている。「僕はセンターのボールだと思って追いかけました。声も出していました」。つまり、どちらも捕れた。どちらも自分のボールだと声を出した。だが、どちらも相手の声は聞こえておらず、どちらも捕れなかった。

 佐藤は三塁に達し、大山の安打で生還した。その後の2死満塁を耐えた柳には、気の毒という言葉しか思い浮かばない。再確認したが、甲子園での初試合であっても間の打球の優先権はセンターにある。

 ただ、頭に入れておかなければならないのは「ここ(甲子園)は浜風が吹きますし、左打者の打球はレフトの方に逃げていく」(平田コーチ)。記者席からはわからないことも聞いてみた。「満員の甲子園では互いの声は聞こえないのか?」と。平田コーチは「聞こえにくいです。それでも声を出します」と答えてくれた。

 外野の名手と呼ばれたOBはこう言った。間に飛んだ打球をどちらが捕るか、最後は「あうんの呼吸だ」と。その意味はと問うと「追いながら相手を見るんだ。そうすればこちらに任せるか、向こうが行くかが必ずわかる」と教えてくれた。

 要するに今回の原因は相手の声が聞こえなかったことより、ぶつかるまで相手の姿が視界に入っていなかったことにある。悔しいかな岡林がいないとそれができず、残念なことに失点に直結する。それどころか「防げたミス」がリードと勝利へのシナリオをも跡形もなく消した。救いのないプレー、光の見えぬ負け。それでも原因を突き詰め、防げるミスは防ぐ。それが首脳陣の責務だろう。

こちらの記事もオススメ!

PICK UP

こちらの記事もオススメ!

こちらの記事もオススメ!

ドラゴンズ情報

NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball