荻野貴司が届ける連載・第4回…ドイツで実現した日本人4選手の食事会
ロッテ一筋16年のキャリアを送った荻野貴司外野手が、チェコで野球を始めて約2か月。家族のサポートを受けながら球場内外で重ねる様々な体験を、チェコから生の声でお届けする連載「荻野貴司のチェコ通信〜Hra!(フラ!)〜」。
第4回は5月22日から3日間、ドイツ・レーゲンスブルクで開催された「ベースボール・チャンピオンズリーグ・ヨーロッパ(BCL)・グループステージ」をレポート。ドイツで実現した日本人選手4人の夕食会や、BCLで得たリーグ戦とはひと味違う“刺激”をたっぷりとお伝えする。
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日本の皆さん、こんにちは! 日本でも暑い日が続いていると聞きますが、僕が住んでいるブルノでも5月中旬から日中は気温が27、8度まで上がって、かなりの暑さになっています。それでもブルノは北海道の稚内より少し北なので、朝晩は涼しく過ごせます。
ドラツィ・ブルノは16試合を終えて12勝4敗で、変わらず首位をキープ。リーグ4連覇中にふさわしい安定した強さがあります。エクストラリーガのレギュラーシーズンは8月9日まで、基本的には毎週末2〜3試合が行われていますが、先日ドラツィはリーグ戦を小休止。チェコ代表として、今年から始まった「BCL」に参戦してきました。
「BCL」はチェコ、ドイツ、イタリア、オランダ、スペインから合計8チームが参加し、4チームずつにわけたグループステージで総当たり戦を行い、上位2チームずつが9月にあるファイナルステージに進出。そこで欧州No.1チームが決定します。
僕たちドラツィはドイツのレーゲンスブルクを開催地とするグループになったのですが、ここにはなんと石川歩が所属するオーステルハウト・ツインズもオランダ代表として参加。さらには、元東京ガスの笹川晃平選手が所属し、補強選手として元DeNAの今野瑠斗投手(マインツ・アスレチックス)を加えたレーゲンスブルク・レギオネーレも組み分けされ、まさかヨーロッパで日本人選手4人が集結するという偶然が起こったのです。
石川とは先日プラハで会った時に「ドラツィ戦で投げる可能性もあるかも」という話をしていましたが、残念ながら実現せず。レギオネーレ戦に先発し、6回を5安打1失点という素晴らしい内容で勝利投手になっていました。実はドラツィがツインズと対戦した25日、4回を終えて4−2とツインズが2点差まで迫ったところで、石川がブルペンで軽くキャッチボールを始めたのです。これはもしやリリーフ登板……?
結局、5回表にドラツィが2点を追加したため、石川は登板せず。どうやらツインズが1点差まで追い上げていたら、投げる予定だったとか。幻の対決、となってしまいました。正直なところ、対決したかった気持ちと、ちょっとやりづらい気持ちと半分半分(笑)。ただ、ヨーロッパで同じ舞台に立てたというだけでも、僕にとってすごく嬉しい出来事でした。
レギオネーレ戦では今野くんが先発し、2打席対戦しました。結果は三塁ゴロと送りバントでしたが、チームが勝ったので良しとします(笑)。笹川くんは3安打1四球と大活躍。対戦相手とは言え、同じ日本人選手が頑張る姿は嬉しく、大きな刺激となります。
価値観の違う4選手が語り合う今、そして未来
石川が先発した22日の夜、日本人4選手で食事に出掛けました。4人集まってどんな話になるのかというと、それぞれ今どんな生活をしているのか、そして今後はどうしたいのか、などなど。そもそも、みんな歩んできたキャリアが違えば、ヨーロッパにたどり着いた背景も違う。年齢だって僕が40歳で、今野くんは21歳。今野くんは昨季までDeNAで育成選手として3年プレーした後、ドイツで野球を続けようと決断。価値観の違う4人がドイツで人生について語り合うという巡り合わせも面白いものです。
笹川くんとは東京ガス出身の石川を通じて、ヨーロッパに来る前に一度会う機会がありました。その時に「向こうで会えたらいいね」と話したものの、こんなに早く実現するとは思いませんでした。彼は2024年で現役を引退し、昨年は東京ガスで会社員として働いたそうです。それでも「やっぱり野球がしたい」と会社を辞めて、ドイツへやってきた。家族がいる中で、一流企業を辞めてまでよく踏み切ったなと思います。
僕もチェコに来て改めて感じていますが、いざという時の家族のサポートほど心強いものはありません。我が家でも妻と息子が一緒に来てくれたからこそ、言葉も文化もまったく違うチェコで野球をすることができています。チェコではインターナショナルスクールに通っている息子は、英語もあまり分からなかったはずなのに、すでに友達ができて一緒に遊んでいる。日本では一緒にいる時間も限られていたので、こうしたたくましい姿を見ると僕も力が沸いてきます。
実はふと「なんで野球をやっているんだろう?」と思うことがあります。3連戦は身体に堪えるし、遠征も決して楽ではない。こんなしんどいのに、なんでまだ野球をやっているんだろう? そう考えると、やはり試合という“勝負事”の中にいる刺激が辞められない理由なのかもしれません。野球を辞めたら、この感覚がなくなるのかな。そう考えると、まだこの刺激は味わっていたいし、感じていたい。そう思うのです。
BCLで感じたリーグ戦とは違う刺激
刺激という点では、今回のBCLは普段のリーグ戦では味わえない緊張感やドキドキ感を味わうことができました。全く知らないチームと対戦したり、それぞれのチームの雰囲気が違ったり。お国柄か、チームの特色か、分かりませんが、オランダのチームはベンチの雰囲気がイケイケで(笑)。チェコはどちらかというと大人しめ。そういった違いも楽しめました。
BCLは日本の交流戦に近い面白さがありましたね。ロッテでも交流戦は結構楽しみにしていたんです。普段とは違う刺激もありましたし、行けない土地にも行けますし。今回ドイツのレーゲンスブルクには家族も一緒に行き、試合前にはかの有名なドナウ川を見ながら散歩をしたり、大聖堂を見学したりしました。観光地のようで、ブルノとは違ったヨーロッパを見ることができました。
このBCLで僕は9打数5安打1打点、打率.556という成績でしたが、決して本調子ではありません。3試合目になると疲れも出てきて、身体の動きが鈍い感じ。でも、その中でもチームの勝利に貢献できたことは良かったと思います。チームは2勝1敗でパルマに次ぐ2位となり、9月のファイナルステージ進出を決めました。ぜひ優勝できるように頑張りたいと思います。
29日から、またリーグ戦に戻ります。BCLで得た刺激をリーグ戦でも生かせるよう頑張ります! それでは、また次回。
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⚪︎「おぎさんぽ inチェコ2026」開催
日本でも開催された荻野選手との散策企画「おぎさんぽ」のチェコ版を7月16〜22日に開催。18、19日には試合観戦をし、試合前のグラウンド内交流や試合後の懇親会もあり。さらには、世界遺産チェスキー・クルムロフを荻野選手と1日観光する特別体験。詳細は下記URLまで。
https://www.sports-his.com/baseball/cat405/ogisanpo_2026.html
⚪︎ドラツィ・ブルノのレプリカユニ&キャップ受注販売
球団監修のもとに作成したオフィシャルレプリカユニホームとキャップを5月24日から受注販売。背番号「0」に加え、日本とチェコの国旗があしらわれたグッズはファン必須のアイテムに。詳細は下記URLまで。
https://hugapparel.stores.jp/news/69ea014f9391c40b59295b54
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