ベネズエラをWBC優勝に導いたオマー・ロペス氏、普段はアストロズのベンチコーチ

 19日のソフトバンク戦(京セラドーム)で球団新記録の11試合連続セーブを達成したオリックスのアンドレス・マチャド投手。今季はここまで16試合(16イニング)に投げ、2被弾3失点を許しているが、セーブ失敗はゼロで1ホールド13セーブ。頼れる守護神としての安定感を見せている。遠く米国からその様子に目を細めるのが、ベネズエラ代表のオマー・ロペス監督だ。

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でベネズエラを悲願の初優勝へ導いたロペス監督は普段、アストロズでベンチコーチを務める。WBCで世界の頂点に上り詰めた直後に退任を発表。今後はベネズエラで指導者の育成に注力しながら、代表チームをバックアップするとしていたが、現在はアストロズの一員としてチームの勝利を第一に考えている。

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「WBCでの野球は国を代表する誇りのためにプレーするもので、MLBでの野球は仕事としてどこまで追究できるか。まったく性格の異なるものだが、私の野球に対するパッションは変わらない」

“オーディション”を勝ち抜いて掴んだベネズエラ代表の座

 ジョー・エスパーダ監督の参謀役として、おなじみのスポーティなデザインの眼鏡の奥で選手の動きに目を光らせる。その一方で、3月にマイアミでの熱狂を戦い抜いた仲間たちの動向も気になるようだ。「アンドレスの日本での活躍ぶりは必ずチェックしている。球団記録だなんて素晴らしい功績だ。我がことのように嬉しい」と話すと、少し胸を張りながら誇らしげに大きな笑みを浮かべた。

「アンドレスは日本でベネズエラの顔としてプレーする選手の1人。ここ数年にわたり、本当に素晴らしいピッチングをしているし、日本で経験を重ねたおかげで自信を増したように思う。彼にとって本当に良い経験になっているようで良かった」

 今年のWBCを迎えるにあたり、ベネズエラ代表チームのメンバー選考を始めたのは昨年5月頃だったという。選考したのは、選手だけはなく、コーチやスタッフらチームに関わる全員だった。まずは多数の候補に声をかけ、その中から球団の意向や契約内容なども照らし合わせながら、徐々に人数を絞っていった。その際に最も重要視したのは「自分の欲を捨てて、母国ベネズエラのためにすべてを捧げられるか」という“忠誠心”。何段階にも及ぶ選考課程は「まるでオーディションのようだった」と笑うが、日本でプレーしながら厳しい審査に勝ち残ったのがマチャドだった。

 WBCで見せたマチャドの無双ぶりはご存じの通り。グループリーグでは、ニカラグア代表を率いた名伯楽ダスティ・ベイカー監督に「あの投手は誰だ?」と言わしめたほどの投球を披露。米国との決勝では、8回にブライス・ハーパーに同点弾を浴びて大会初失点を喫したが、直後の9回に味方が勝ち越し、勝利投手として名を刻んだ。

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WBC優勝のロペス監督が絶賛「実力のほどを見せつけた」

「アンドレスはWBCで我が国ベネズエラのために最高の働きを見せてくれた。それには感謝しかない。自分の力で大きな名声を築き、キャリアを輝かせる功績を残し、多くの選手に、多くのファンに実力のほどを見せつけることができたんだ。アンドレスがどれほど良い投手か、みんな口々に称えていただろ。WBCでの勢いをそのまま、日本に持ち帰れたことは嬉しく思う」

 そして、この先もマチャドが送るキャリアの未来は明るいと太鼓判を押す。

「彼は今、このステージに至るまで長い下積みを経験してきた。だからこそ、投げるマウンドが日本であれ、メジャーであれ、これから長く活躍するに違いない。どのレベルにあっても安定したパフォーマンスを披露できることは、誰よりも私がよく知っているから」

 WBCでは母国のために腕を振り、シーズン開幕後はオリックスのために大車輪の働きを見せる33歳右腕。その献身的な働きでWBC優勝指揮官から得た大きな信頼こそ、マチャドにとって何より大きな宝物になりそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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