元プロ野球選手の九州国際大付・楠城祐介監督に聞いた「給料」「世襲の損得」「指導法」【2026年春のセンバツ 監督突撃インタビュー】

九州国際大付属の楠城監督(C)日刊ゲンダイ

【2026年春のセンバツ 監督突撃インタビュー】

 楠城祐介監督(九州国際大/42歳)

 22日に神戸国際大付(兵庫)と戦うのが、監督交代後、初の甲子園出場となった九州国際大付(福岡)だ。前監督は西武や楽天で長年スカウトや編成担当として活躍した楠城徹氏(75)。2023年に退任し、元プロ野球選手でもある息子の楠城祐介監督に後を譲った。そんな楠城監督を直撃した。

  ◇  ◇  ◇

 ──楠城監督は08年ドラフト5位で楽天に入団し、ヤクルトに移籍して13年までプロでプレー。指導する上で、プロと高校生との違いは感じますか?

「高校生というかアマチュアとプロとの一番の違いは、基礎練習の反復です。これはプロの方が圧倒的に多い。メディアではプロ野球選手の華やかな部分が多く紹介されますが、実際は地道な反復練習をひたすらこなすのがプロ。僕は実績はありませんが、いろいろと見聞きはしている。そこを今の子たちに伝えることが、僕にできる一番のことと思っています。特に今の時代はSNSや動画で、情報があふれ過ぎている。それを見ただけでうまくなる、と思っている子も多いんです。僕の小学生の息子も野球をやっていますが、『今日は練習したか? 素振りしたか?』と聞くと、『YouTube見たよ』と、動画を見て勉強した……そんな感じなんですね。でも、反復練習の大事さは僕が口を酸っぱくして言っているので、部員は理解しています」

 ──監督就任の経緯を教えてください。父親の楠城前監督が学校に推薦したのですか?

「それもあったでしょうけど、父が70歳を越えた時に学校から監督の打診があったんです。僕は16年に『コーチが足りないから来てくれ』と父に言われ、3年間だけの約束でコーチになったんですけどね(笑)。だから学校側の『そろそろ若い指導者に』という打診にも、最初はノーと言いました。その後は何度も話し合い、父からも『ぜひともやってくれ』と言われたので……」

 ──結果として世襲であることに非難はありましたか?

「直接言われることはあまりないですけどね。仲のいい人は冗談で言ってきたりしますが……。日本は世襲を嫌がる風潮なので、そこもわかります。ただ、僕もずっと父と比べられ、プロに入ってからも、常に父の名前がついて回りました。はじめの頃は相当悩みましたよ。でも、いろいろと考えるうちに『父の息子であることに悪い部分もあれば良い部分だってある』と思うようになりました。どんな立場でも良い悪いは半々だと」

 ──恩恵も?

「僕が高校野球の監督をする上で、一番大事にしているのが卒業生の進路です。そこは父が長年、スカウトで培ってきた人脈、つながりがあり、そこは僕も恩恵を受けられる。『ああ、楠城さんの息子か』と可愛がってもらえることもある。卒業生の進路という点では大きいですね」

 ──現在、楠城前監督は何をされているのですか?

「野球部顧問として残ってもらっています。普段は中学生を見て回ったり、試合や練習でアドバイスをもらうこともあります」

 ──現在は事務職員。給料はどうですか?

「給料まで聞くんですか?(苦笑) 父や(前々監督の)若生さんはいわゆる職業監督でしたけど、僕は正規の事務職員ですから、普通の私学の事務職員と同等の額しかもらってませんよ」 

(聞き手=阿川大/日刊ゲンダイ)

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