OP戦も残り10試合。今週はホームで5戦。シーズン開幕も近付き、そろそろ主力も結果が欲しいところ。
1. OP戦 vsヤクルト(3/10)
対ヤクルトの試合でありがちな乱打戦。打線はよく盛り返したが、さすがに序盤の失点が響き、敗戦。見るべきところが多かった野手陣の中で、まずはミゲル・サノーがOP戦2本目。左方向に引っ張った当たりが出始めたのは、そろそろ自分のスイングが出来始めてきた証明か。その他、ここまで結果は出ていなかった岡林勇希・上林誠知が揃ってマルチ。開幕を見据えて調子を上げてきた結果と好意的に捉えたい。また、この日から遊撃スタメン本命の山本泰寛が1軍に合流。打つ方では結果が出なかったが、今までの実績を踏まえれば焦る時期でもないだろう。
この日、6番に座った福永裕基も好調を維持してマルチ。これでOP戦は打率.474。ジェイソン・ボスラーが出遅れ、石川昂弥が結果が出ない現状を踏まえると、開幕サードに一番近い存在と言える。
投手陣は、先発の三浦瑞樹が3回8失点。これで開幕ローテからは大きく後退と言わざるを得ないだろう。中継ぎという立ち位置ではまだチャンスはあるが、橋本侑樹・近藤廉・牧野憲伸と同じ中継ぎ左腕も結果を残し続けているだけに、立場は微妙。また、根尾昂がOP戦初登板。いきなり失点(自責なし)も、高い奪三振能力を見せてアピールは出来たと言える。こちらも藤嶋健人・勝野昌慶・梅野雄吾と同じ中継ぎ右腕のライバルは多いが、何とか出番を勝ち取って欲しい。地元のスター・根尾の躍進は、そのまま中日浮上の原動力となるはずだ。
2. OP戦 vsヤクルト(3/11)
前日と打って変わっての投手戦。中日はドラフト2位の櫻井頼之介が5回被安打4の無失点。6回から投げたドラフト1位・中西聖輝が4回1失点(自責点0)とともに好投。投げる方はシーズンに向けて弾みのつく試合となった。
櫻井と中西ともに、開幕ローテに入るには申し分ない内容だったと言えるだろう。井上監督は、櫻井に関しては中継ぎでの起用も示唆しているが、自分としては、先発以外は有り得ないと断言したい。先発陣も数は揃っていて、少なくとも4月は週5戦が続くという状況も理解はするが、これだけの投球を見れば、やはり先発で使いたいと思わせる素材だ。櫻井の代わりに、アルベルト・アブレウの先発起用も視野に入っているようだが、少なくともWBCの内容を見る限りでは、素人目にはアブレウの方が短いイニングを高出力で投げる方が向いているように見えるが、どうだろうか。
中西も立ち上がりはバタバタして無死満塁の状況を作り、そこからオルランド・カリステのエラーで1失点はしたが、逆に言うとエラーがなければ無失点で切り抜けていたというのは好材料。2イニング目以降は隙のない投球を見せており、ドラフト1位にふさわしい内容だったと言える。こちらも先発起用が妥当。髙橋宏斗・金丸夢斗・柳裕也・大野雄大・松葉貴大と5枚揃っている中で、松木平優太や涌井秀章も考えると、先に書いた序盤の週5日は充分なようにも思うが、髙橋宏と金丸以外は不安要素が介在するのも事実。逆に無理のないローテで序盤は回すという発想でも良いのでは。
打線は、奥川恭伸と新外国人からは1安打と沈黙。終盤に逆転はしたが、相手がプロに入ってここまでは苦戦している増居翔太という事を考えると、決して褒められた内容ではないだろう。それでも、細川成也のホームランウイングに飛び込む逆転弾は、今季の新しい可能性を期待させるものだった。無論、逆に手痛い一撃を受けるリスクも秘めてはいるが、長距離砲もそれなりに揃ってきた今のチーム事情を鑑みれば、プラス要素の方が大きいはずだと信じたい。
3. OP戦 vs楽天(3/13)
今季のOP戦で、最も中日ファンに不安を与えた試合だったと言えるだろう。開幕投手内定の先発・柳裕也は、まさかの5回9失点。被安打9、3本の被弾とまさにメッタ打ちという結果だった。それでも井上監督は、開幕・柳の方針は変えないと試合後にコメントを残しているが、この内容はさすがに調整の域を越えているのではないだろうか。果たして残り2週間で、この状態から修正できるか。柳にとっては、早くも正念場が訪れたと言える。
柳の後を継いだ伊藤茉央・近藤廉・根尾昂・藤嶋健人は、不運な出塁から伊藤が1点を失ったものの、最少失点で凌いだ。中継ぎ陣はOP戦を通し、非常に安定している。特に藤嶋は目を見張る程のキレを見せていた。こちらは順調な仕上がりと言えるだろうか。
打つ方では、細川成也が初回に2試合連続のOP戦3号。ホームランウイングにより、今年最も期待できるのは、やはりこの男か。ただ、以降は試合後に開幕投手内定となった楽天・荘司康誠の前に沈黙。実際、荘司の出来も非常に良かったというのも事実ではある。ただ気掛かりは、ミゲル・サノーの打率がついに2割を切ってしまった事。三振が目立つようになってきた最近の試合は、各チームの研究が進んだ結果なのか、ボールを見る事に軸足を置いていた序盤のスタンスから、次の段階へと進んでいる最中だからなのか。ジェイソン・ボスラーは恐らく開幕に間に合わず、サノーの一塁起用はほぼ確定と思われるが、そろそろファンを安心させる打棒を見せて頂きたい。
4. OP戦 vs楽天(3/14)
楽天との2戦目は、松葉貴大とカイル・マラーが登板。明らかに開幕カードを見据えた起用と思われるが、松葉は持ち前の粘りを見せられずに4回1/3で4失点。マラーは4イニング無失点ながら、再三ピンチを招く苦しい投球。ともに今季OP戦初先発という言い訳はできるが、試合後に監督がコメントを残しているように、「及第点」と言い切れるほどの内容ではなかった。とは言え、松葉に関しては、今季は意識してスローペースでの調整をしているように見え、開幕はともかくシーズンのどこかでは合わせてくるだろう。マラーも、実戦で言うと今季まだ2戦目。そもそも、昨季も圧倒的な力で相手を捻じ伏せるという内容ではなかっただけに、想定内と言えなくもないが。
5回途中で降板した松葉に代わりピンチの場面で引き継いだ根尾昂は、村松開人の好守もあって無失点で切り抜けた。前日からの連投も、OP戦での無失点は継続中。気持ちの強さを見せてくれた点は、井上監督も評価している。他の中継ぎ陣も好調を維持しているが、割って入る資格は充分に有していると言える。
この日は、松葉やマラーと並び開幕ローテ候補と目されている松木平優太も2軍開幕戦で登板。ただ結果は7回5失点と、期待に応えたとは言い難い内容だった。当初は先発陣に比べて駒不足に思われた中継ぎだが、前日とこの日の内容を見ると、逆に先発の方に不安を感じてしまうのは確か。こうなると、アルベルト・アブレウの先発起用を視野に入れている首脳陣の判断は、慧眼であったと言えるのだろうか。
打つ方では、鵜飼航丞に第3号が飛び出した点が、やはり1番の好材料。ついに開幕1週前まで、好調を維持してきた。先日、開幕戦の相手は、左の広島・床田寛樹と公表。となれば、鵜飼の開幕スタメンも充分に可能性があると言えるだろう。またこの日は、鵜飼と同じく好調の石伊雄太も1発を含むマルチで、打率.444とハイアベレージを維持。不調が続いていた石川昂弥も、長打を含むマルチと復調の兆しを見せるなど、収穫の多い内容だった。ミゲル・サノーや遊撃候補に未だ結果が出ていない点は不安材料も、野手陣は開幕に向けて期待値が上がってきた感がある。開幕に向け、継続して鎬を削って頂きたい。
5. OP戦 vs楽天(3/15)
楽天との3戦目。前2試合で感じさせた開幕ローテの不安を払拭する好投を見せたのが、ベテランの涌井秀章。5回被安打2の無失点。井上監督は、先回の登板後は涌井を「困ったときに使う」とコメントしていたが、今がまさにその「困ったとき」なのではないだろうか。開幕カードの広島3戦目は、涌井秀章という形でも良いのでは。そもそも、先週の日曜日に投げた大野雄大は、この日は投げなかった。大野は、やはりバンテリンドームでの開幕2カード目に回すという形か。くどいようだが、その次にあるハマスタを考慮すると、自分としては賛同しかねるが。
ただ一方で、この日は侍ジャパンの準々決勝敗退が決まった。それ自体は非常に残念なニュースであるが、中日目線で言うと髙橋宏斗・金丸夢斗が想定よりも早く戻ってくるという事になる。来週末の2軍戦をステップに開幕カードという形も可能性に入ってくる訳で、開幕ローテの選定は大きく状況が変わってきた。残り2週間、果たして首脳陣の判断は。
また、投手陣に関してもう一つ。予想通りとも言えるが、育成ドラフトで今季入団した牧野憲伸の支配下昇格が決定。ここまでの内容を見れば当然の結果だが、牧野に限らず今季の中継ぎ陣は本当に頼もしい。この試合も無失点リレーで、特に勝野昌慶はOP戦に入ってから完璧な投球が続いている。主力が退いた終盤に投球機会が多いという点を差し引いても、この内容であれば、松山晋也・齋藤綱記が戻ってくるまでの穴も充分に埋まるのではと思えてしまう。シーズンに入っても変わらぬ活躍を期待。
打つ方では、不調が続いていたミゲル・サノーが、逆方向へ鮮やかに掬い上げた一撃を放った。これで細川成也・鵜飼航丞らと並び、OP戦トップタイの3本目。率は残せずとも、このパワーはやはり打線に並べる価値がある。開幕ファーストは当確と言えるだろう。
次週は、いよいよOP戦の最終週。福岡で2戦、ホームで3戦。最後まで結論の見えない開幕ローテ争いも、ついに決着がつく。刮目して、見届けたい。

NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball