問われる阿部監督の一貫性 巨人の「機動力野球」はいつまで続くのか

先発し、3回無失点と好投した田中将大(C)共同通信社

 今季の「阿部野球」を象徴するシーンが見られたのは九回だった。

 8日の阪神戦。先頭のドラフト4位新人・皆川岳飛(22=中大)が右前打で出塁すると、次打者・リチャードの中飛でタッチアップのスタートを切り、二塁を陥れた。さらに、2死二塁から左翼前に落ちるポテンヒットを放った2年目の浦田俊輔(23)も送球間に一気に二塁へ進塁。得点にはつながらなかったが、積極的な走塁でチャンスを広げてみせたのだ。

 主砲の岡本和真(ブルージェイズ)がメジャーに移籍した今季。4番流出で低下するであろう得点力を補うため、阿部慎之助監督は昨秋キャンプから機動力の重視を掲げてきた。この日の阪神戦を含めたオープン戦6試合の盗塁数は、12球団トップの10。昨季の53盗塁、成功率57%がいずれも12球団ワーストだったことを考えれば、選手に走塁の意識が浸透しつつあるのは確かだろう。

「レギュラー選定が実績重視なら機動力は使えない」

「機動力を絡めてしぶとく1点を取りにいく、という阿部監督の方針は支持する。3位に終わった昨季、巨人のチーム打率はセ1位の.250だった一方、463得点は同3位。ここぞの場面での得点力不足に苦しんだ。絶対的な存在だった岡本が抜けた今季、打線は昨年以上に苦労するでしょう。機動力を駆使して少ないチャンスをモノにする戦い方を志向するしかないのが正直なところ。積極的にひとつ先の塁を狙う意識がチーム全体に共有されているのは朗報ですが、気になるのはシーズンに入ってからも同じような野球ができるかどうか。オープン戦でのチーム10盗塁を見ると、皆川1、門脇1、佐々木1、知念1、松本剛1、浦田2、宇都宮3とレギュラーが確実視されているのはFA入団した松本剛のみ。3盗塁の宇都宮はまだ背番号3ケタの育成選手です。二塁のレギュラー奪取が期待される浦田も、吉川尚輝の故障が癒えてもチャンスがあるかどうか。実績重視でレギュラーが固まってしまえば、昨年と一緒で機動力は使えないメンバー構成になる。阿部監督には足のある若手を抜擢し、機動力野球を貫いて欲しいと思いますが、果たしてどうなるか……」(巨人OB)

 巨人の野球が変わる、とはまだまだ言えない。

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 今季セ・リーグのペナントレースは「阪神と巨人の2強じゃないか」という声も上がっている。実際にこう語った他球団の主力選手は、巨人の“キーマン”について、思いもよらぬ名前を口にした。いったいそれは誰なのか。その意外な理由とは。
 
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