3年前に初めて準々決勝に進んで最高成績を残した大会常連国は、飛躍を期して最強ジャパンに挑む。果たして彼らに勝機はあるのか。2017年対戦時のスコアラーが感じ取った“国民性”から戦いを占う。
2010年に東京ヤクルトスワローズのユニフォームを脱ぎ、スコアラーに転身したことは志田宗大にとって自分のあるべき姿を見つける契機になった。試合中は各球団のスコアラーたちがひしめくバックネット裏で後方の席に座る。それも、この仕事に臨む、かれなりのこだわりだった。
全体を俯瞰するには前よりも後ろがいいのだという。その視界がとらえるのは、選手や首脳陣だけではない。他球団のスコアラーが働く様子も遠目に映るのだ。
自分しかメモを取らないような場面で手を動かしているスコアラーがいれば、同じところを見ているのかと推測できる。ちょっとしたしぐさであっても、いつか役立つことがあるかもしれない。そうやって、あらゆることにアンテナを立ててきた。
国際試合になれば、もっとバラエティーに富んだ光景が見える。必携であるはずのパソコンも持たずにノートに書きこむ国。ビデオ撮影しない国。果てにはポップコーンやピザを食べながら視察する国……。
万国博覧会さながらである。
’15年に侍ジャパンのスコアラーに就いた志田は2年後のWBCに向けて準備をすすめるなかで、あることに気づいた。
「国民性のようなものが見えてくるんです。印象深い国のひとつがオーストラリアです。かれらは複数で来て、一角にまとまって、自分たちだけで黙々と分析している感じでした。短期間で試合から収集できる情報が限られていても、なにか見つけてやろうという意思を感じました」
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