今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で連覇を目指す日本代表に選出されたオリックスの若月健矢捕手。「めっちゃ下手だった」と振り返る入団時から、攻守ともに大きく進化を遂げたその理由とは――。〈NumberWebインタビュー全2回の前編/後編を読む〉

◆◆◆

「パワプロで言ったら、やっぱり“オールA”の選手になりたいですよね」

 オリックスの捕手・若月健矢に、理想のキャッチャー像について聞いた時の答えだ。

ADVERTISEMENT

「“これ”という人や像はなくて、いろんなキャッチャーのいいところを全部取り入れたいという感じ。それぞれ持ち味があると思うんですけど、それを全部吸収したいなという思いがあります」

 プロ入りから12年、貪欲に“オールA”の捕手を目指し続けてきた若月は、昨年、ゴールデン・グラブ賞とベストナインをダブル受賞した。パ・リーグ最高捕手の評価を得たということだ。

プロ12年目のキャリアハイ

 ゴールデン・グラブ賞はリーグ3連覇を果たした2023年以来2度目の受賞。

「1度目は優勝してもらえた賞かなと思っていました。今回は、チーム順位関係なく見ていただけたのかなと思います」と重みを噛み締めた。

 23年のベストナインは森友哉が受賞し、チームメイトと栄誉を分け合ったが、昨年は若月が独占。それは打撃力の向上があればこそだ。昨年は121試合に出場し、そのうち99試合でスタメンマスクを被って打率.272を残した。キャリアハイの100安打、6本塁打を記録し、3本のサヨナラ打を放つなど勝負強さも際立った。

「100本は想像していなかったので、びっくりはしましたね。外部からバッティングコーチ(嶋村一輝、川島慶三)が入ったんですが、その2人の影響がすごく大きかったのかなと思います。固定観念がないコーチ2人が見てくれて、『飛ばせるんだからもっと振っていきなよ』と言ってくれた。そういう後押しがあったからだと思います」

 ただ、課題としていた打撃力が向上しても、ゴールデン・グラブ賞とベストナインを独占しても、「全然まだまだです」と自己評価の厳しさは相変わらずだ。

【次ページ】 若月の能力を開花させたオリックスの“メソッド”

NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball