2024年、北海道北広島市に開業した北海道ボールパークFビレッジ(通称:Fビレッジ)。北海道日本ハムファイターズの新たな本拠地である「エスコンフィールドHOKKAIDO」を中心に誕生した“街”は、単なる球場の枠を超え、温泉やサウナ、ホテル、レストランなどを併設する総合的エンターテイメントエリアとして、全国から注目を集めています。

「共同創造空間」として、この場所を観光地にしていきたい。株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメントが掲げるそのビジョンは、スポーツビジネスの新たな可能性を示すものです。

J LIVE RADIOのパーソナリティである田中準也さんと長崎亘宏さんは、同社の小林兼さんをゲストに迎えた回(2025年12月24日公開)を、このエスコンフィールドで行いました。エスコンフィールド内を歩く見学ツアーに参加したマーケティングのプロフェッショナルである2人は、この挑戦的な施設から何を感じ取ったのでしょうか。本記事は、J LIVE RADIOコラボの番外編という形で、2人の率直な感想をお届けします。

田中:いや、もう入った瞬間から「ここは日本か!?」って思いましたよ。想像していたよりもはるかにスケールが大きくて。

長崎:ドーム球場なのに、圧倒的な解放感。自然光が入ってくるから全体が明るいんですよね。壁一面のガラスファサードのおかげだと思うのですが、なんと「スタジアムにおける最大の連続したガラスファサード」としてギネスに認定されているそうです。世界最大ってことですよ!

エスコンフィールドのガラスファサード

田中:そうそう、あと場内に入る前、奥手の駐車場を見たら、そこに高級車がたくさん停まっていて……。「ああ、憧れていたプロ野球選手が、ここにいるんだ!」って、変なところで感動しちゃいました(笑)。

長崎:(笑)。それも含めて、入るだけでも特別感を感じられる、圧倒される場所ですね。僕らは収録前に、このエスコンフィールドの内部を見学させていただきました。特に試合やイベントがない平日だったんですが、ショップや客席に、お客さんがいるんですよ。しかも、結構たくさん。

田中:そうでしたね! 観戦以外にも楽しめるレストランやショップがあって、入場無料ですからね。

長崎:ファイターズの練習を観に来たり、ランチをしたり。ボールパークという名前にふさわしい、まるで公園のような、人が自然と集まりやすい場所として開かれていました。

田中:あと、掃除が行き届いてる。全体を歩き回ったからこそ、隅々まできれいだということが印象に残りました。 これだけ広い施設を清潔に保つには、相当なコストがかかると思うんですよ。そういう何気ないところに気遣ってコストをかける心意気が、素晴らしいなと思いました。

長崎:それ、僕も思いました。小林さんもラジオ収録中に言っていましたが、球場を試合日以外も無料で開放しておくことには、コストがかかる。それでも開いているのは、エスコンフィールドを「観光地にしたい」という思いがあるからこそなんですよね。誰でもいつでも来られて、心地よく過ごせる配慮が行き届いているから、次第に人が集まる場所になっていく。

田中:野球観戦をする人たちへの配慮もすごいんです。エスコンフィールドの座席シートって、全席がピッチャーズマウンドとホームプレート間に向けて傾けられているんですよ。これは気が利いているな、と感動しました。細かいところだけど、観戦体験を最大化するための工夫がちゃんとあるんだな、と。

エスコンフィールド

長崎:あと、サウナ!

田中:今回は残念ながら入れませんでしたが、もはや球場の概念を超えてますよね(笑)。

長崎:おそらく、着想の段階から「街に球場を作る」のではなく、「球場に街を作る」からスタートしたのでしょうね。だから、他の球場が持ちえないような機能や役割を内包する唯一無二の存在として、これほど多くの人を魅了しているのだと思います。

田中:そう、そして街だからいろんな人が訪れるわけです。そこに紐づいているのが、スペシャルシートの豊富さですね。立ち飲みしながら観られるスペース、野球観戦できちゃうサウナ。あと、ワンちゃんと一緒に観られる特別シートもあるそうです。まさに、多様性の時代にマッチしたDE&Iな空間だな、と。楽しみ方も人それぞれ。一人でももちろん楽しめるし、気の置けない仲間、家族と楽しむこともできる。地下のラウンジは、商談を決める一差しにも使えそうです。

長崎:野球が好きな人“だけ”のための球場ではないんですよね。

施設内の様子

田中:僕らが子どものころって、ゴールデンタイムにテレビをつけると常にプロ野球があって、少年野球に参加して一度はユニフォームに手を通したものじゃないですか。ジャイアンツが好きなのに、父親が買ってきたユニフォームはカープので、「これじゃない!」って駄々をこねた記憶があります(笑)。

長崎:そこは譲れないですね(笑)。

田中:あの頃、プロ野球って「テレビで観るもの」だと思っていたんですよ。でも今は、球場で体験する、体験型エンターテインメントに進化したのだな、とエスコンフィールドを見て思いました。

長崎:一見矛盾しているんですけど、野球以外のコンテンツが充実した結果、ビジネスとしての、スポーツエンターテイメントの可能性が広がるんです。

田中:ただ見せるだけじゃなくて、体験させて魅せる。

長崎:そう。パーク内に温泉施設や遊び場があることで、ファンだけでなく、ファンの家族も試合に同伴しやすくなります。実はサッカーでも、川崎フロンターレが同様のチャレンジをして成功していますよね。ファンとのエンゲージメントを重視し、ファンの家族も一緒に楽しめる企画などを試合以外の時間で展開していました。

田中:球場の体験価値が野球以外のコンテンツによって向上したことで、野球観戦は体験型エンターテインメントの枠組みで楽しまれるようになった、と。そして何より“おもてなし”の精神が、エスコンフィールドのエンターテインメント性を高めていると思います。

左から、J LIVE RADIOのパーソナリティ田中準也氏、長崎亘宏氏

長崎:あと、スクラップ&ビルド的な発想で進行している土地開発ではないということも、周囲の環境を見て感じました。

田中:Fビレッジは広大な土地を最大限に活かした、地方創生の新しいモデルにもなりそうですよね。

長崎:行政と球団という民間企業がタッグを組んで挑んだ、超巨大プロジェクトですよ。でも、決して地元の人たちのことを置いてはいかないところが素晴らしいな、と。

田中:そうですね。エスコンフィールドは他県からの流入も期待できる、北海道の新たなゲートウェイとして機能していく予感がしますね。

長崎:地方の土地活用という観点でも、これからのロールモデルになると思います。

田中:エスコンフィールドでJ LIVE RADIOのコラボイベントができたら面白そうですよね。

長崎:すぐに思いついたのは、何かと東京に集中しがちなビジネスイベントの招聘です。マーケティングやメディアに精通されている方ならば、この場所を通じてインスパイアされるものはたくさんあると思います。

田中:いいですね、僕は協賛スポンサーの冠がついている地下のラウンジで、ビジネスカンファレンスがしたいな!

長崎:いいですね、あそこのラウンジはぜひ使ってみたいと思いました。

田中:あと個人的には球場全体を使って音楽ライブフェスをやりたい!(笑)

長崎:スケールが大きい!(笑) でも、ここならできそうな気がしちゃいますね。

左から、田中準也氏、ファイターズ スポーツ&エンターテイメント小林兼氏、長崎亘宏氏

田中:小林さんとの収録もすごく印象的でした。僕も新卒で入った会社が金融系で、そこから広告業界に転身したんですけど、まだ第二新卒みたいなもので、苦労もそんなにしなかったんです。

長崎:でも小林さんの場合は、キャリアを積んだあとの大転身だった、と。

田中:そう、銀行でしっかりと経験を積んで将来も安泰だっただろうに、そこからスポーツエンターテインメントの世界に飛び込んだ。強いモメンタムを感じました。

長崎:Fビレッジのような「夢の実現」に欠かせない要素は何かと考えたときに、何よりも「情熱」、そして「視野の広さ」、さらに「コネクティビティ」だと僕は思うんですね。

田中:ああ、それはまさに、小林さんが――……。

長崎:そう、そうなんです。エリート銀行マンとして海外で活躍していた小林さんが、地元北海道へUターン就職して、専門分野ではない野球ビジネスにリーダーとして従事する。これぞまさに、夢の実現へのピースが体現されているエピソードですよね。

田中:DJ後記にも書いたんですけど、小林さん、収録の前に綿密な準備をされていたようで、お手元にはメモがびっしり書かれてました。

長崎:丁寧な方ですよね。

田中:エンターテインメントとファイナンス。まったく異なる領域のスキルを磨き上げ、Fビレッジをサクセスに導いてきた小林さんは、これからのビジネスパーソンのロールモデルとも言えそうです。いや、まだまだ話し足りなかった。また来たいです、エスコンフィールドに!(笑)

長崎:これはもう、決まりですね! 今度は試合を観に来ましょう!

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