インターエフエムで毎週水曜日21:00から放送している「J LIVE RADIO」は、「仕事も遊びも本気!」なビジネスパーソンを応援するラジオプログラム。DJを務めるのは、株式会社サン 代表プロデューサー / コネクターの「ジュンカム」こと田中準也さんと、Cステーション エグゼクティブプロデューサーの「ノブ」こと長崎亘宏です。毎回、各界で活躍するビジネスパーソンをゲストに迎え、「人生のステージ」についてや、「人生を楽しむ秘訣」をお伺いします。

12月24日のゲストは、株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 執行役員開発本部副本部長の小林兼さんです。

*Podcastでもお聴きいただけます!

〈ゲスト〉

ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼さん小林兼さん
プロ野球球団・北海道日本ハムファイターズが2023年に開業した「エスコンフィールドHOKKAIDO」並びに「北海道ボールパークFビレッジ」の開発・企画全般を担当。広大なエリア開発の旗振り役として観光地化とまちづくりを推進。野球経験はないが「世界がまだ見ぬボールパーク」「共同創造空間」のコンセプトに惹かれ2020年に中途入社。前職は三菱UFJ銀行に所属し、十数年間に及ぶ東南アジア駐在で事業基盤の拡大に従事。スポーツと北海道の魅力の掛け合わせで地方都市の価値形成に一石を投じる事を目指し北海道に戻ってきた。1980年北海道旭川市生まれ、北海道大学経済学部卒。

田中:メリクリ。

長崎:メリークリスマス!

田中:元気だなあ、年末なのに……。

長崎:いやいやいや! 今21時ですよ!

田中:イブですね。

長崎:いろんなところでみんな乾杯してますよ。

田中:そんな中、とてつもないクリスマスプレゼントを頂いちゃいましたね。

長崎:本当ですね。

田中:では、さっそくゲストの方をお迎えしましょう!

小林:はい。銀行マンを辞めて地元の北海道に戻り、ファイターズ スポーツ&エンターテイメントへ転職した小林と申します。よろしくお願いします。

長崎:いらっしゃいませ!

田中:うわー! もう今のプロフィールだけでちょっとサブイボ立つんですけど。

長崎:ジュンカムさん、我々今どこにいるんですか?

田中:(北海道)北広島市に来ております。「Fビレッジ」からお届けです!

長崎:今ほっぺつねってます。だって、まさに収録している目の前がエスコンフィールドの中なんですよ!

田中:僕たちのいつもより高いテンションも楽しんでいただければと!

長崎:本当にファンの方には申し訳ないけれど、球場を眺めながら収録しています。

田中:ということで、改めまして、株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 執行役員 開発本部 副本部長の小林兼さんです。よろしくお願いします。

小林:よろしくお願いします。

田中:小林さんは2004年、三菱UFJ銀行に入社。海外赴任などを経験した後、野球経験がない中、世界がまだ見ぬボールパーク「共同創造空間」のコンセプトに惹かれ、2020年に株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメントに中途入社。エスコンフィールドHOKKAIDOならびに北海道ボールパークFビレッジの開発企画全般を担当。広大なエリア開発の旗振り役として、観光地化と街づくりを推進しています。先ほどFビレッジ内を少しご案内していただきまして、興奮冷めやらぬ中の収録です。

長崎:野球場とは思えない、全く新しい感覚でしたね。

田中:ええ。ノブさんは小林さんと面識があるんですよね。

長崎:はい。2023年の「日本マーケティング大賞」の受賞の場に登壇されていて、私は運営側といいますか、理事として参加して、その場でご挨拶したのがきっかけです。

田中:それで、北広島に行きたいって言っちゃったんですか?

長崎:あ、その場で言いましたね。名刺交換の直後に「わたくしは取材に行きます!」と。

小林:だいぶ時間空きましたけどね(笑)。

長崎:すみません(笑)。だから、まさに夢が実現したんです。本当に大きな大きなクリスマスプレゼントです。

田中:お忙しい中、時間を作っていただいてありがとうございます。

小林:いえ、こちらこそ来ていただいて本当にありがとうございます。しかも、冒頭で本当に感動したと言っていただけて、とてもありがたいです。

田中:本当に、この良さを語るのには50分くらいかかると思います。

長崎:ちょっと尺が足らないですね。

田中:番組30分なので、特番編成していただきたいくらい! 

田中:さっそくですが、小林さんの忘れられない人生のステージを教えてください。

小林:16年間銀行で働いていたんですけども、妻に大反対されながら地元である北海道に戻り、プロ野球の球団に入ったことが非常に大きな転機だったと思います。

田中:最初は内定断ったんですよね?

小林:そうなんです。そもそもプロ野球をあまり見たこともなく、学生時代に野球をやっていたというわけではないのに野球の会社に入るということに対して、家族は疑問があったんです。私としては、スポーツエンターテイメントにどこかで関わってみたいという思いがあってのことだったんですが、給料や働く場所を考えたときに、一回内定辞退しました。

田中:なるほど。

小林:それで一旦終わったと思ったんですけど、当時取締役を務めていた前沢賢、つまりこの球場を作った張本人なんですが、彼が当時私が働いていたタイのバンコクまでわざわざ来てくれたんです。それで、「ビジネスパーソンが欲しいから一緒にやろう!」と言ってくれたことが決め手となりました。

長崎:この時点で熱いですよ、だって説得に行ったんですよ!

田中:ラジコン持っていったんですよね(笑)?

小林:そうなんです、「お子さんに」って。家族から反対されていたので(笑)。

田中:家族から落とそうと!

小林:結局は反対していた妻が、「この先銀行員をやっていても、そこまで『君が欲しい』って言ってもらえることはないんじゃないの?」と言ってくれたことが後押しになりました。

田中:スポーツエンターテイメントはビジネスとして考えると、すごく難しい領域じゃないですか。BtoBでもあるし、BtoCでもあるし、地方自治体とか行政との調整も必要で。そんな中で「きょうそう」していくことは、想像を絶するものがあると思うんですけど。

長崎:ジュンカムさんの言ってる「きょうそう」は、「共に創る」方の「共創」ですね。

田中:そう。もちろんライバルがいることによる「競争」もあるとは思うんですけど、「共創」に対するモチベーションや「やってやるぜ!」みたいな熱いものはあったんですか。

小林:最初に何をやろうかなと考えたとき、先ほどのバンコクまで来てくれた上司が「野球、会社、スポーツ、さらには地域の課題解決に貢献できるような仕事だったら、自由に何をやってもいいよ」というミッションをいただいたんです。そこで吹っ切れたというか、野球だけじゃない領域に、今まで金融マンとして得たものを活かしながら取り組めることはあるなと思って、とても前向きにとらえることができました。

あと、このいわゆる「ボールパーク」と呼ばれる場所で、試合がない日や平日も休日も、そして球場の外でもビジネスをいろいろと展開できるという点に非常にやりがいというか、自分自身が少しでも活躍できる要素があるように感じています。

長崎:今日もまさにそうですが、野球がない日に何千人単位の方がやってくるというのは、すごく新鮮でした!

田中:とても贅沢なパークですよね。

小林:我々は「共同創造空間」という言葉をコンセプトに掲げていて、新しい価値をこの場所で生んでいこうという考え方にいろんな会社さんから共感いただき、実際にいろんな価値を生み出すようなイベントができているのではないかなと思っています。

長崎:そこですよ! 先ほどご案内いただいたときに、本当に上手な形で企業と組んでいるなと思ったんです。先ほどジュンカムさんもBtoCとBtoBに言及していましたが、まさにBtoBのすごさをビシビシと感じました。ゲートやラウンジシートに企業名を付けているのもそうですし、サービスも相当工夫されていると思いますよ。

田中:あと、企業のロゴがいい感じに配置されていて、そういうところの設計も上手だな、と。……いったいどこから目線なんでしょうか、すみません!

長崎:デザインですよね、デザインの良さ。

小林:球場のデザインも結構特徴的で、三角屋根になっているんです。

田中:感動しましたよ!

小林:北海道に昔からある農家の作業小屋や倉庫はバーンと呼ばれていて、その特徴である三角屋根をデザインとして取り入れています。北海道の方にとってスッとなじみやすい要素を取り入れて、「どこかで見たことがある」と感じられるデザインを意識しています。球場の中もカラーのトーンをある程度統一するなど、かなりこだわってデザインのガイドラインを作りました。細かいところですが、ドアノブ一つにもこだわってデザインを決めているので、そういったところに気づいていただけるとすごく嬉しいです。

田中:「ロボ感」すごくありましたよ!

長崎:屋根の開き方がね。「マジンガーZ!」とか言ってましたもんね。

田中:だって25分かかるんですよね。

小林:そうです、あの屋根が開くまでに。

田中:「すごい!」と思いながら見てた。

小林:よーく見ていると、ちょっとずつ動いているのが分かる程度なんですよ。

長崎:いつの間に開いてたの!? みたいな感じですよね。

小林:試合中や試合が終わった直後に開けたり閉めたりすることもあって、じっと見ていらっしゃるお客様もいらっしゃいますね。

収録中の様子

田中:今オフィス空間にいますが、働いている皆さんは球場をいつも見ながら仕事をしているんですよね。この距離感もイノベーティブな発想につながりそうですし、お客さんの顔を常に見て仕事をしていることは重要なポイントな気がしますね。

小林:すごく贅沢なオフィスだと自分たちでも感じています。常にフィールドの雰囲気を感じることができて、常にお客様が見える位置にオフィスがあって……。試合日にはみんな球場中に散ってお客様と接したり、仕事をしたりして歩き回っています。天然芝が広がっているフィールドをふと目にして、癒される瞬間もありますね。

田中:でも、夢や感動をつくるためには、お金を動かすことが必要ですよね。特に地域と共同で取り組むとなったときに、「じゃあお金あるの?」って言ったらなかったり、動かせなかったりすることも多い。そんな中で、かつては銀行マンであり、お金を動かすということを分かっていらっしゃる小林さんが参画することには、やはり意味があったと思うんです。

小林:かつての経験が役立つことは今もあります。新しい施設を作ろうというとき、当然その後にはファイナンス、つまりはお金をどうやって借りて、どうやって建てるのかということが必ずセットになりますから。

実際、いろんなスポーツチームや自治体の方々が球場に視察に来られて、これから新しいものを作りたいという話になることも多いのですが、当然、先立つお金はどうしたらいいのかという話にもなります。その際に資金調達の方法や事業計画の策定などについて、アドバイスといったらおこがましいですけど、少しお伝えさせていただくこともあります。

長崎:要するにスポンサーシップというのは、「これだけの露出があって、これだけの機会があるので、お金をください」という提案じゃないですか。小林さんご自身がしっかりとしたキャリアをお持ちだからこそ、ファイナンスの話もそうなんですけど、根本的なビジネスの課題についても話し合えるんですよね。単なるキャンペーンだけにとどまらず、中期的な事業戦略についてもきっと相談できるんだと思います。それこそ、企業がこんなに集まっている理由だと思うんですよね。

田中:応援していただく以上、企業とWin-Winな関係になるっていう。

長崎:さっきジュンカムさんがおっしゃった、まさに「共創」ですよね。コラボレーション、コ・クリエーション。

小林:この球場を開業するタイミングで、いろんな企業さんにご参画いただいています。例えば、農業機械メーカーのクボタさん。単に「新しい施設を出しませんか」と声をかけるのではなく、クボタさんが抱えていらっしゃる課題を事前に調べた上でお話をさせていただきました。いわゆるtoC、農業に興味のない方々にも、自分たちがこれから取り組もうとしている農業の課題の解決について知ってほしいという思いがおありのようだったんです。なので、「野球には興味があるけど農業には興味がないという人たちも立ち寄りやすいような場所で、未来の農業をテーマにした体験型施設をつくってみませんか」といったアプローチをしました。それはやっぱり、前職の経験があったからできたことだと思っています。

田中:この番組の中でも外でも、最近IPや知的財産の話をすることが多いんですけど、まさにこの会社や施設、さらには社員さんを含めて、IPがすごくたくさんあるし、IP化できそうなものもたくさんあると思いました。「スポーツ&エンターテイメント」と会社名に入っているくらいですから、野球だけではなく、そこからの横展開、それも単純な横展開ではない、IPを中心とした事業展開も想像できそうですよね!

長崎:できる! 昔「UCLA」のTシャツが流行ったじゃない、僕らの世代で。

田中:はいはい。

長崎:そんな感じで、「Fビレッジ」って書かれただけのTシャツが売れるようになったらもう本物のIPですよ。

田中:そうそうそう。

長崎:もう全てのものがデザインされているんですよ。

田中:あとね、全てをオープンにしているところが、このパークの良さだと思う。

小林:野球の試合がない日も、外野のゾーンは基本的に年中誰でも入れるようになっています。当然フィールドが見えますし、イベントにもご参加いただける。温泉、サウナにも入っていただけるし、ここでしか飲めないクラフトビールも飲んでいただけます。

長崎:横丁もありましたね。

小林:はい、ご飯も食べられます。僕らはもう当たり前だと思ってやっているんですけど、例えば視察に行ったアメリカの球場に入ろうとしたらスタジアムツアーでしか入れないとか、入ったとしても見るものがそんなにないということもよくあります。

我々のモデルは、常に人が入れるわけですから電気代や清掃代がかかってマイナスの部分もありますが、それ以上に我々はこの場所を観光地にしていきたいと思っているんです。いつ開いているかどうか分からないような観光地には、みんな足が向きにくいじゃないですか。「常に開いている」と打ち出すことで、平日夕方でもお客様がいらっしゃいますし、そういう場所になっているというのはこれまでやってきて良かったなと感じるところですね。

田中:今後の展開や野望はおありですか。

小林:転職してこの業界に入ってからもうすぐ6年ですが、まだできていないことの方が多いと思っています。会社がさらに成長して魅力的になっていけば、プロ野球やスポーツ、エンタメの業界で働きたいと思っているビジネスパーソンの方がもっと入ってきてくれるはずです。より優秀な人が入ってくることでFビレッジが盛り上がり、我々が盛り上がることで他のプロスポーツや球団が盛り上がっていったら本当に嬉しいことだと思います。中途採用も幅広くやっているので、ご興味ある方は当社のウェブサイトを見ていただければありがたいなと!

田中:ちなみに、お休みの日は何をされているんですか。

小林:家族と過ごすことが多いですね。実は趣味で、庭に種から蒔いた天然芝を育てているんです。

田中:おお!

小林:うまくいったりいかなかったりなんですが、もうちょっと極めて、球場に負けない美しい天然芝を自分で育てたいという野望があります。

田中:芝職人じゃないですか!

長崎:すごい!

小林:寒冷地用の芝で、ケンタッキーブルーグラスっていうんですが、それにいくつかの芝生の種を混合しながら強い芝を育てるっていうのを……ちょっと何の話しているのか分からなくなってきましたけど(笑)。

田中:そういうエンスージアストというか、凝り性なところがあるんですね。

小林:我々、「自己実現と組織貢献の両輪を回す」と内部でよく言っているんですけど、エスコンフィールドでやっていることも、組織貢献のためにやらなきゃいけないことに、自己実現のために趣味でやっていることが結構役に立つこともあるんです。なので、プライベートも仕事もどちらも頑張る人が社内では多いような気がします。

田中:まさにこの番組の趣旨にぴったりなゲストじゃないですか。

長崎:理想ですよね。「仕事も遊びも本気!」。

田中:ナイスキャスティング、ノブさん!

長崎:いやあ、ありがとうございます。

田中:それでは最後に小林さんの「人生のパワーソング」を聴きながらお別れしたいと思います。

小林:昔から真心ブラザーズさんが大好きなんです。実はボーカルのYO-KINGさんにちょっとだけお会いしたこともあって、すごく魅力的な歌がたくさんあります。その中でも、「RELAX〜OPEN〜ENJOY」という曲をお願いしたいです。

もともと自分はシリアスに物事を考え込んでしまうタイプなんですけど、この歌詞がそんな自分に一石を投じてくれて。このぐらいの考え方のほうがいろいろとうまくいくんだなということを教えてくれた曲です。

田中:小林さんのバランス感覚はこの曲から来ているんですね。

小林:やっぱりエンターテイメントというのはいろんな影響を与えてくれるものだと思いますし、我々がやっている野球やこのボールパークも、いろんな人に良い影響を与えられるような場所であってほしいですね。

田中:我々と同じじゃないですか。めっちゃ賛成です!

小林:では、真心ブラザーズで「RELAX〜OPEN〜ENJOY」。

<M>

真心ブラザーズ「RELAX〜OPEN〜ENJOY」

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左から、ジュンカムこと田中準也氏、ファイターズ スポーツ&エンターテイメント小林兼氏、「ノブ」こと長崎亘宏氏

<DJ後記>

DJジュンカムこと田中準也:番組収録の前にじっくりとエスコンフィールドを体験させていただきました。「神は細部に宿る」を随所に感じることができる、造形だけではないビジネスとしての「デザイン」を学べる場所でした。その中でチャレンジをしている小林さんは、収録に際してとても準備されていて、ああこの方はできるな、と思いつつ、想定していない質問ばかりしてしまってごめんなさい(笑)。淡々とお話ししながらもパッションがほとばしる小林さんとFビレッジにこれからも注目したいと思います。百聞は一見にしかず。ビジネスパーソンならぜひ現地で体験することをおすすめします。インスパイア間違いなしの共同創造空間でした。

DJノブこと長崎亘宏:小林さんが選んだパワーソングは、真心ブラザーズの「RELAX〜OPEN〜ENJOY」でした。ご本人のエピソードとあまりにもマッチしすぎていて、リスナーの皆さんも喜んでいただけたのではないかと思います。今回の学びは「心の集会所」です。街をつくるのだからこそ、さまざまな背景や利害をもった人々が集まります。そうした人々がボールパークを中心にして、心で繋がっているさまを目の当たりにしました。これは実際に行ってみないとわからなかったと思います。必ず再訪したいと思います。もちろん、シーズン中に!

*この番組を、Podcastでお聴きいただけます。

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