2025年のプロ野球では「セパ格差」が話題となった。交流戦では、上位6チームをパ・リーグが独占。日本シリーズでは、2位に13ゲーム差をつけてセ・リーグを制した阪神が、パ・リーグ覇者のソフトバンクにあっさりと敗れる展開となった。「セパ格差」は本当にあるのか? その“正体”とは? 両リーグで指導経験のある埼玉西武ライオンズの仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチに聞いた。〈全2回の後編/前編も公開中です〉
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今季から指導者としてパ・リーグで戦う仁志コーチ。セパ両リーグの質の違いで最も大きいのはピッチャーの「攻め方」だと言う。
「攻め方の大きな違い」源流は巨人の黄金期?
――セオリーに捉われない大胆さがある?
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仁志コーチ そうですね。バッターに対して「打たれないように」と用心する範囲がちょっと違う。そもそもパ・リーグのピッチャーは「かわす」という意識が希薄なのかもしれません。実はそれを探っていくと、今までのセ・リーグの歴史、特に僕らがいたジャイアンツの時代が影響している部分があって……。これは僕が現役の頃からちょっと思っていたのですが、多くの試合をテレビで放送されたり、新聞で論評されたりと注目度が高いことも影響するのかな、と。
――巨人や阪神など、セ・リーグは報道される機会が多い分、配球や作戦面など批判を受けやすかった。
仁志コーチ あの状況でこの配球は不用意だったとか、あんなところに投げるなんて、というような周りの声はすごく入ってくるものなんです。特に昔のジャイアンツはそういうところがあって当時のキャッチャーに聞くと、状況に応じて「こういうことをやられてはいけない」、だから「このボールを選択する」というように、ちゃんと理由を持って隙を作らないようにしていたと話していました。
セ・リーグの投手がとらわれる「安全策」
――その中で結果を出してきた選手たちがいずれ指導者にもなって、まずは安全策を取ろうという慎重な空気感がセ・リーグに醸成されてきたのかもしれません。
仁志コーチ キャッチャーの要求した「やられてはいけない配球」の通りにきっちりと良く投げていかなければいけないので、ピッチャーはパワーに頼るよりコントロール重視になる。多少は変化球も多くなるというところはあるのかなと思います。
今季の交流戦では、優勝したソフトバンクから6位の楽天までパ・リーグのチームが上位を独占。セ・リーグ6球団が丸ごと下位に沈むという極端な現象が起きた。初めて交流戦をパ・リーグ側で戦った仁志コーチは何を感じたのか。

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