1年目は19試合で打率.122もウインターリーグで活躍
オリックスの1年目、山中稜真捕手が派遣された台湾のウインターリーグで、決勝戦での同点打を含め打率.340と結果を残して帰国した。
「公式戦とは違って試せる場所。いろいろ試みたことが上手くいったということが多かった。この結果を来季につなげなければいけません」。帰国2日目の自主練習を終えた山中が声を弾ませた。
山中は神奈川県出身。木更津総合高(千葉)、三菱重工Eastから2024年ドラフト4位でオリックスに入団。広角に強い打球を打ち分ける打撃で春季キャンプから注目を集め、ドラフト1位の麦谷祐介外野手(富士大)とともに、岸田護監督からキャンプのMVPに選ばれた。登録は捕手だが、外野手、一塁手として出場し、「1番・左翼」として先発出場した4月17日の西武戦(京セラドーム)では、球団史上初の「新人初回先頭打者本塁打」を放った。
外野の層の厚い“壁”に阻まれ、1軍出場は19試合、49打数6安打、3打点、打率.122にとどまったが、広角に長打を打てる打撃の評価は高い。台湾でのウインターリーグでは、打撃の持ち味をいかんなく発揮した。出場14試合で50打数17安打、7打点、打率.340。17安打のうち8本は第1打席と、積極性も目立った。「開幕から3試合連続して1打席目にヒットが出ていたんですが、気付いたのは後半戦になってからでした。そこからは、こだわりましたね。上位で打たせてもらうことが多く、早い段階で(チームに)流れを持ってきたかったので」
打席の中での意識も変えた。「対戦するのは知らない投手ばかり。前の打者への投球を見ていろいろな情報を得て、受け身にならないように仕掛けていきました」。打撃練習で金城龍彦監督(巨人)や立岡宗一郎コーチ(同)から受けた「体の伸び上がりが早い」「体の開きが早い」などのアドバイスで修正し、試合で生かすこともできた。
自信を深めた打席も多かった。3試合目の台湾海洋戦。1打席目に左腕のスライダーを右前適時打、3打席目で右腕のチェンジアップを中前に放った後の第4打席目だった。147キロのストレートを中越え二塁打。「左中間やセンターオーバーをずっと意識していたのですが、理想の打球を打つことができました」と胸を張った。
「4番・左翼」で起用された決勝戦では、同点の右前打も放った。「勝たなければいけない試合に4番で使ってもらい、価値ある1本を打つことができました」。父は東邦高(愛知)の主将として甲子園で優勝し、社会人でもプレーした。同じ高校に進学し大学でプレーする弟も野球を継続する予定の野球一家。2年目の飛躍を誓う。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)

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