前田健太投手(前ヤンキース傘下3Aスクラントン)が来季、楽天イーグルスでプレーすることが決まった。巨人なども獲得に動いていたが、総額4億円(推定)の2年契約が合意に達した。日米通算165勝を挙げる右腕の日本球界復帰の舞台裏と、完全復活への鍵とは。広島カープ、メジャー時代を通じて前田を取材してきたMLB担当の山田結軌記者が綴った。〈全2回の前編/後編を読む〉

 マエケンが日本で再び、投げる。仙台が新たな挑戦の街だ。

「メジャーに上がれなかったのは悔しかったです。正直、ここ数年で一番自信を持ってマウンドに上がれる最後の1、2カ月だった。いい状態、自信を持ってシーズンを終わることができた。自分でも、よくここまでピッチングを戻すことができたな、と思います」

 シーズンを終えた前田は、そう語っていた。その言葉には一定の手応えと2026年への希望がにじんでいた。

 5月初めにタイガースからDFAというメジャー40人枠から外される措置を受けた。つまり、戦力外通告だった。タイガースとは2年契約の2年目、米球界は10年目を迎えた春だった。渡米後初めて開幕ローテーション投手を外れ、中継ぎに配置転換。7試合で防御率7.88と苦しんでいた。コントロールが定まらず、力を入れて投げても直球の球速は90マイル(約145km)に満たないこともあった。投球フォームに違和感を感じながら投げること自体が不安だった。先発投手、有望な若手が揃うタイガースの投手陣で居場所を失うのは、時間の問題だと見えていた。

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