かつて大谷翔平よりも“天才”と呼ばれた同世代がいた。大谷に「負けた」と言わせた少年。大谷が落選した楽天ジュニアのエース……。天才たちは、30歳になってどうなったのか? 書籍『さよなら、天才 大谷翔平世代の今』が発売され、話題になっている。
 その書籍のなかから“超無名中学生の逆転人生”を紹介する。中学時代はチームで唯一補欠で、将来の夢は公務員……一昨年現役を退いた岡野祐一郎(元中日)の物語である。【全4回の第3回/第4回も公開中】

<中学時代は超無名で補欠だった。しかし聖光学院でエースになり甲子園出場も果たした岡野祐一郎。「プロ野球選手」が現実的な目標となった青山学院大時代、高校日本代表のチームメイトだった大谷翔平に意を決してLINEを送る。「久しぶり、覚えてる?」>

 高校代表合宿で大谷翔平と初めて顔を合わせたとき、岡野はこんな会話をした記憶がある。

「うっすらとですけど『東北で選ばれてるの、俺と岡野しかいなくね?』みたいな」

 春夏連覇を達成した大阪桐蔭からは最多となる4名が選ばれていた。また、春夏と二季連続で全国準優勝した青森代表の光星学院からは田村龍弘、北條史也、城間竜平の3人が選ばれていたが、いずれのメンバーも出身は大阪だった。同様に地方の高校であっても出身は関西という選手も多く、全体的に関西出身者の比率が高かった。

 そのため岡野はなかなかチームに馴染めなかったという。

「関西勢と、それ以外の選手で分かれちゃっている感じがあって、居場所に困るというか。自分、人見知りするタイプですし。完全に蚊帳の外だったんで、早く帰りたいなと思ってたぐらいでした」

 唯一の同郷人といってもいい大谷も岡野の目には関西勢のグループに属しているように映っていた。

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