就任1年目で阪神をリーグ優勝に導いた藤川球児監督。中日で常勝軍団を築いた落合博満の再来なのか? 発言録からひもとく。【全3回の1回目/第2回も公開中】※コメントの引用元は特記がない限り、デイリースポーツonline/日付は発言日

 日本シリーズでソフトバンクに敗れたものの、今季、両リーグ通じて史上最速優勝を果たした阪神タイガース。

 今年、藤川監督は記者の質問に対し、当たり障りのない回答を繰り返してきた。シーズン中、試合後の会見拒否はなかったが、ほぼ何も答えていないようなコメントも珍しくなかった。象徴的な例が「明日」についての談話である。

-明日以降は。「また明日考えます」(9月17日)

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-明日からの練習では実戦形式を。「明日になれば分かるんじゃないですか」(10月10日)

-大きな1勝。明日にどう生かされるか。「明日にならなきゃ分からないですね」(10月16日)

余計な発言せず…徹底した「情報統制」

 無愛想に思えるかもしれないが、この“コメント力”こそが、ペナント制覇の大きな要因となった。余計なことを口にしないため、人気チームながら「情報統制」に成功したのだ。藤川監督は作戦の意図や選手の故障について聞かれると、たびたび報道陣をはぐらかした。

■4月22日 DeNA 2-4 阪神(横浜スタジアム)※不調の大山悠輔について

-大山に打点。辛抱強く5番で使い続けていくのか。

「どうですかね、そのあたりは」

■9月17日 広島 1-6 阪神(マツダスタジアム)※4番の佐藤輝明が欠場

-佐藤輝はベンチ外。

「超人ではないということですね。超人に聞いてあげてください」

-アクシデントか。

「まあまあ。体調調整だけで休ませることはないですから。超人ではないということです」

■10月7日 クライマックスシリーズを前に 

-残留練習ではクリーンアップもバント練習をした。1点を争う場面を想定した準備か。

「どうですかね(笑)。どうでしょうかね」

「名将」落合博満の再来か? 2人の共通点

 このような談話を読むと、あの指揮官を想起するだろう。2004年から11年まで中日ドラゴンズを率いて、リーグ優勝4回、日本一1回を達成した落合博満監督である。報道陣の質問に正面から答えないという点で、両者は似ていると言っていい。

 落合監督は就任1年目のオープン戦終盤、開幕投手について自らこう切り出したという。

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