阪神タイガースのドラフト1位・立石正広(創価大)。バレーボール選手の姉・立石優華(クインシーズ刈谷)が、末っ子である弟の成長とプロへの扉を開いた運命の一日を振り返る【NumberWebインタビュー全2回の後編/前編も公開中】
「おめでとう」
抽選の末、交渉権が阪神タイガースに渡ったことを映像で確認した姉の優華(ゆうか)は、弟の正広にすぐメッセージを送った。
しかし、LINEの返信が届いたのは、夜も更けた頃。
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「緊張したし、一日、疲れました」
無理もない。大学No.1野手として注目を集め、複数球団の競合は確実視されていた。指名の瞬間を見届けようと大学には多くの報道陣が訪れ、会見場には野球部員だけでなく一般学生も多く詰めかけた。
指名されるのか。どの球団になるのか。家族同様に正広の胸中にに不安もあったはずだが、そんな素振りは少しも見せず、主将らしく冷静な表情でドラフトの模様を見つめていた。中継を通して阪神・藤川球児監督から「日本シリーズも共に戦おう」と呼び掛けられると、ようやく笑みがこぼれた。
「早く終われ、終わってくれ…」
「行けるならどの球団でも構わない」
弟のプロ入りに対する強い思いは事前に聞いていた。本人はもちろんだが、優華をはじめとする家族たちも、ドラフト当日までの時間を待ち遠しく、焦れる思いで過ごしていた。
「1年前もドラフト(中継を)見ていたんです。弟がここで指名されるかもしれないんだなと考えると改めてすごいことだと思って。でもその時は『まだ1年ある』と現実的に考えていなかった。それから(正広が)ケガもあって、大学最後のシーズンはいろんなことがありました。気づいたらドラフトまであと1カ月に迫っていました。早く終われ、終わってくれ。ずっとそう思っていました」
夏が過ぎ、秋の気配が感じられるようになると、弟について語る取材が増えた。互いに多忙のため、久々の再会が一緒に受ける取材現場だったこともあった。
「やっと会えたのに取材か、と思って(笑)。弟と取材を受けること自体が照れくさかったです」

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