ドジャースの山本由伸投手がワールドシリーズのMVPに輝いた。第2戦、第6戦で先発し、第7戦では“中0日”でリリーフして胴上げ投手になるなど、球史に名を残す力投を見せた。世界最高の投手となったタフネス右腕。その原点を知るオリックス時代の“女房役”が語った記事を再公開する。【初出:2023年11月11日、肩書などはすべて当時】
日本シリーズ第7戦を終えて、京セラドーム大阪の地下駐車場に現れたオリックスの捕手・若月健矢は、日本一に届かなかった悔しさの中にも、安堵感を漂わせた。
1年間の激闘を終えた安堵。そして、大エースを最後に勝利で送り出せたことに対しても。
その1時間ほど前に球団から、山本由伸のポスティングによるメジャー移籍を承認することが発表されていた。
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「(第1戦で敗れて)あのまま終わらなくてよかった。(第6戦で)やり返せたというのは、本当に嬉しかったです」と若月は肩の荷を下ろした。
日本シリーズ第1戦、おなじみとなった登場曲「Frontier」が流れる中、山本が悠々と本拠地のマウンドに上った。まだ正式には発表されていなかったが、これが日本でのラスト登板になるかもしれないと覚悟して見守ったファンは多かっただろう。
その山本がまさかの7失点を喫して敗れた。試合後、若月は「由伸の調子自体は悪くなかったと思います。僕が全然ダメだったというか、僕が、なかなか導いてあげられなかった」と責任を背負いこんだ。
まさかの7失点に残った悔い
立ち上がりは悪くなかった。ストレートは走り、スイスイとアウトを重ねていく。4回まではわずか48球で阪神打線を2安打無失点に抑えていた。
ただ、カーブが思うように決まらなかった。ワンバウンドになることも多く、本来ならカウント球にも決め球にもなる得意球をうまく操れず、徐々に消えていった。ストレートとフォークに偏っていき、5回にストレートを捉えられた。
カーブでストライクを取れなかった影響を聞かれた若月は、「結果的にそうなってしまいましたね。カウント球も決め球もフォークと、同じような感じになってしまった」と悔やんだ。

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