
道産子バッテリーとして初めて最優秀バッテリー賞を受賞した伊藤(左)と伏見
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スポーツニッポン新聞社が制定する「2025年度プロ野球最優秀バッテリー賞」の選考委員会は21日、セ・リーグは阪神の村上頌樹投手(27)―坂本誠志郎捕手(31)、パ・リーグは日本ハムの伊藤大海投手(28)―伏見寅威捕手(35)を選んだと発表した。4選手ともに初受賞。伊藤は日本ハムでは大谷翔平投手(31=現ドジャース)以来10年ぶりの受賞となった。4選手には賞金100万円が贈られる。
23年のオフのこと。伊藤は、オリックスから移籍1年目のシーズンを終えた伏見とある約束を交わした。同じ道産子で「バッテリー賞を絶対に獲ろう」。あれから2年。その約束がかない「約束が実現して良かった。道産子で獲るのは初なので、それが何よりうれしい」と笑顔を見せた。
今季もエースとしてフル稼働。ソフトバンク・有原と並ぶ14勝、195奪三振で2年連続の最多勝と初の最多奪三振の2冠に輝いた。27登板のうち、18試合で伏見と組んで10勝を積み上げた。世界一になった23年WBCで共闘した15年の大谷(現ドジャース)と大野以来球団10年ぶりだった。
ともにベストゲームに挙げたのは、6月20日の中日戦。5安打で今季初完封を飾った一戦だ。伊藤が本調子ではなく、試合前のミーティングはいつもの倍以上の時間をかけて投球のプランを練った。「緩急をうまく使えて、“自分はこういう投球もできるんだ”とシーズンの中でも転機になった。自分の良さを引き出してくれた」と伏見に感謝した。
グラウンド外でも息ぴったり。伊藤は伏見の性格を「かまちょ(かまってほしい)。こっちが何も言っていないのに来る」とイジれば、伏見は「逆です。あいつが、かまちょ。何かと絡んできます」と反撃する。
昨年も逃した沢村賞の選考基準のひとつ15勝を目指し、レギュラーシーズン最終戦だった4日のロッテ戦に登板も8回3失点で黒星。20日までのソフトバンクとのCSファイナルSで敗退し、日本シリーズ進出も逃した。来季に向け「(沢村賞の)全項目クリアしたい」と伊藤。約束のバッテリー賞を弾みに、悲願のリーグ優勝と投手最高の栄誉も目指す。(田中 健人)
≪大海の精神面成長に伏見感嘆「尊敬」≫伏見は、伊藤の精神面の成長に感嘆した。22年オフにオリックスから移籍し、3年間で何度もバッテリーを組んできた。
伊藤が7勝に終わった23年を「打たれたら投げやりになったり、精神的にもろい投手だなと思った記憶がある」と振り返る。だが、新庄監督から開幕投手に指名された昨年、練習態度から一変。2年連続最多勝の絶対的エースに成長し「去年から、私生活でも本当に尊敬できる過ごし方をしている」と目を細めた。
来季以降についても「こういう賞は何回獲ってもいい気持ちになるので、来年も大海と獲りたい」と話した。
【パ選考過程】パは大激戦となった。モイネロ―海野(ソフトバンク)と伊藤―伏見(日本ハム)の一騎打ちとなり、5票対5票で並んだ。優勝したソフトバンクは2年連続最多勝の有原よりも2年連続最優秀防御率のモイネロに票が集中。辻発彦氏は貯金9を稼いだ安定感を評価し「小久保監督は“ここぞ”の試合はモイネロに任せていた」と指摘。東尾修氏も「貢献度ではモイネロがNo・1」とし、巨人に移籍した甲斐の穴を埋める働きをした海野も称えた。
伊藤は2年連続最多勝と奪三振の2冠。有藤通世氏は「完投数が両リーグ最多タイの6。両リーグトップの196回2/3を高く評価したい」と言い、野村謙二郎氏も投球回を評価し「伏見は開幕から伊藤とバッテリーを組み、田宮が不調で2軍落ちしていた時はチームを支えた」と語った。
最終選考では総合力で伊藤がモイネロを上回り、有原と1票差で逃した昨年の選考結果も加味した。張本勲氏が「最後まで沢村賞の基準を満たそうと奮闘した姿を称えたい」と言えば、牛島和彦氏も「昭和のエースに近い大黒柱としての存在感がある」と評した。
▽最優秀バッテリー賞 投手だけでなく、捕手にもスポットを当てて球界最高の「バッテリー」を表彰する。第1回は1991年で今年で35回目。選手や球界関係者、ファンの認知度も高い。投手は先発ローテーションの一員として、または救援投手としてシーズンを通して活躍したことを最低条件とする。捕手はインサイドワークや盗塁阻止率、捕逸の少なさなどを基準に選考される。張本勲氏と有藤通世氏は第1回から選考委員を務める。
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