“微笑みのクローザー”が戻ってきた。CS巨人戦2試合、9回のマウンドに立ったのは森原康平だった。今季、故障で長い苦闘の時期を過ごした静かなる男の胸中とは。〈全2回の1回目/つづきを読む〉

 “刺さる”という感覚——。

 横浜DeNAベイスターズのリリーバーである森原康平にとって、打者に対しボールを“刺せる”か“刺せないか”は、ピッチングにおける重要なファクターになっている。

 クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ、巨人との2試合で9回を任された森原は、熱戦を振り返り言った。

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「刺せましたし、いつも通りできました」

 その言葉には、揺るぎない自信がこもっていた。

ブルペンへの電話で悟った9回の登板

 10月11日の初戦、DeNAが4対2とリードしていた7回、森原はブルペンで8回を投げるイメージを持ち同僚の伊勢大夢とともに準備をしていた。するとブルペンの電話が鳴り、小杉陽太投手コーチから「伊勢、次行くぞ!」と声が掛かった。

 その瞬間森原は、自分が9回に行くことを悟った。

 今季森原は、レギュラーシーズンで30試合に登板したが、9回を投げたのはビハインドと同点の場面だけだった。昨年まで守護神として慣れ親しんだリードの場面での9回のマウンド。8回裏に味方が2得点したためセーブシチュエーションとはいかなかったが、CS初戦を勝利でクロージングする大事なマウンドを任され、森原の心の内は静かに奮い立った。

 久しぶりの感覚。マウンドからスタジアムを見渡せば360度、横浜ブルーにあふれ、ファンが大声援を送ってくれている。

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