阪神・今朝丸
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 阪神・今朝丸にとって、忘れられない一戦となった。9月15日にナゴヤ球場で行われた、ウエスタン・リーグの中日戦。この日は、今季限りでの現役引退を表明していた中田が「4番・一塁」でスタメン出場した。

 「全部真っすぐで勝負して。本当は三振を取りたかったんですけど…結果は抑えられたんですけど、本当にいい思い出ができました」

 野球の神様が演出した、運命的な巡り合わせだったのかもしれない。夢にまで見た対決は初回に訪れた。18年間に及んだ中田のプロ野球人生において、これが2軍戦での最終打席。1死一、二塁のピンチを背負ったが、迷うことなくオール直球勝負で挑んだ。カウント2―2からの5球目、145キロの高めで遊飛。右腕は「投げていても怖いなっていうイメージがあった。本当にいいバッターでした」と特別なマウンドを思い返した。

 試合後には、まさかのサプライズが待っていた。マネジャーを通じて今朝丸の元へ届けられたのは、一本のバット。そこには中田のサインとともに「真向勝負ありがとう」(原文ママ)の文字が記されていた。

 「びっくりしました。寮の部屋に大切に飾っています。一生の宝物です」

 幼少期から憧れていた大きな背中だった。小学生時代には遊撃手としてプレー。打点王に3度輝いた日本ハム時代の中田の勇姿は、今でも脳裏に焼き付いている。「(当時は)ショートをやっていたんで背番号6番が欲しくて」。照れくさそうに笑顔を浮かべつつ、「憧れていた。それでプロに入って、最終打席で対戦ができて運がいいのかな」と喜びをかみしめた。

 同じ高卒でプロの世界に飛び込んだ二人。真っ向勝負を通じて、思いは確かにつながった。(山手 あかり)

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