楽天・浅村
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 プロ野球は5日にレギュラーシーズンを終える。4年連続で4位に終わった楽天の主砲・浅村栄斗内野手(34)にとっては激動の17年目だった。

 今季は6月までに通算300本塁打、2000安打、2000試合出場を達成。担当記者として、メモリアルイヤーを追ったが「喜」「楽」の感情は、ほんのわずか。はるかに「哀」の姿を見ることが多い一年だった。

 平成生まれ初の通算2000安打まで残り9本としてから自己最長の35打席連続無安打。5月20日の西武戦(盛岡)ではパ・リーグ記録で、歴代でも4位まで伸ばしていた連続試合出場が「1346」で止まった。7月7日には不振のため、故障以外では12年5月以来、13年ぶりに出場選手登録を外れた。8月に再昇格も14打数1安打と結果を残せず、わずか10日で再度2軍落ち。「今年はもう1軍に上がれないかもしれない」と嘆いた。

 複雑な思いを抱えながらも自らの打撃を見直した。西武時代は中村、山川らリーグを代表するスラッガーが在籍。浅村自身が本塁打を求められることはなかった。楽天移籍後は主砲と呼ばれ、立場が変わった。近年は思ったような結果がついてこず、「遠くに飛ばそうと思うと、スイングの軌道がおかしくなる」とジレンマを抱えた。そこで1軍復帰後は本拠地の早出練習で恒例だったロングティーを封印。「自分のスイングはボールを上げようと思わなくてもいい時は上がる」と軽めのティー打撃で切り上げ、復調した。

 今年11月で35歳。今秋には関係性の深かった1学年上の先輩たちが、それぞれの転機を迎えた。大阪桐蔭の先輩である中田、楽天移籍後はともに主力として戦った岡島が今季限りで引退。1月の合同自主トレで汗を流してきた阿部は戦力外となり、「今まで身近な人が辞めたり、チームが変わるのはあまりなかったけど、ここ何年かで一気にね…。寂しさはありますよ」とこぼした。

 先月の西武戦。試合後に西口監督と偶然顔を合わせると「いい振りになってきてる。見ていて怖いよ」と声をかけられた。敵将にもそう感じさせる存在感はやはり楽天打線の中でも別格だ。周囲の環境の変化に「年を感じる。そういうのはありますね」と複雑な心境も吐露する一方、通算2000安打を達成した際、本紙の取材に「僕がまだやらないといけないというプライドも使命も持っている」と言い切っている。

 来季はシーズン終盤に見せた打棒を、シーズンを通して見せてほしい。08年夏、甲子園で魅せた華麗なプレーに心を揺さぶられた一ファンの願いだ。(記者コラム・花里 雄太)

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