<神・中24> 初回、中前打を放つ近本 (撮影・亀井 直樹) 
Photo By スポニチ

 試合後、阪神・近本は3度の快音を奏でたことよりも、1度しかなかった得点を悔やんでいた。「しっかり先頭で出られた。(もっと)得点で(本塁に)還ってくることができていれば良かったかなという感じです」。それでも3安打を積み上げて、聖地・甲子園の虎党を沸かせた。

 ヒットパレードは初回から始まった。先発・高橋宏から中前へはじき返して連続安打を5試合へ伸ばすと、続く3回先頭の2打席目は2球で追い込まれながら3球目を再び中前へ運んだ。7回は引っ張り込んで右翼線への二塁打。剛腕から響かせた全ての快音は150キロを超える直球を捉えたものだった。

 「うまく反応できた。いい(バットの)出し方ができた」

 自賛したのは2打席目。安打を放つ1球前のカーブにタイミングを完全に崩された。結果は空振り。続く3球目。相手バッテリーは裏をかいた。その高めに投じてきた配球を読み切って描いた中堅へのクリーンヒット。その表情から、思い描く理想のスイングが体現できていることがうかがえる。

 猛打賞は21年に並ぶシーズン自己最多の14度。中日・岡林も3安打を記録してリーグトップを並走する。シーズンの安打数も158安打まで伸ばし、1本差で同トップの広島・小園、中日・岡林を追いかける。

 「ムラをつくっちゃうと、それがどうしてもパフォーマンスの上でマイナスな方に働く可能性が高い。ある程度、コントロールしながら。ここ2年間はその辺を考えながら取り組んでいる」

 今年で7年目。状態が良くても悪くても、常に一定のパフォーマンスを出すために「出力の安定」を念頭に掲げコツコツと「H」ランプをともし続けてきた。入団1年目の19年からシーズン9度以上の猛打賞をマークしてきた“令和の猛打賞王”。残り2試合となったシーズンも淡々と役割をこなし、“有終の美”を飾る。(石崎 祥平)

続きを表示

NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball