セ・リーグをぶっちぎりで制した阪神タイガース。これから始まるクライマックス・シリーズ、そして見据える日本シリーズでも強さを発揮できるだろうか。少し気が早いが、今季の総括、シリーズの展望の前に「球団の未来」に目を向けたい。盤石な布陣なタイガースに“黄金期”は訪れるのか?【全2回の後編/前編も公開中】

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 前編では、阪神タイガースの二軍の充実度とそれを可能にした方針について、他球団の編成担当者の声も交えて紹介した。一軍の主力だけでなく、次代のレギュラーを狙う若手選手も二軍で順調に成長しており、他球団と比べても世代交代の準備は進んでいる印象を受ける。

 しかし、気になる点があるのも確かだ。充実した層を誇る野手と比べて、投手陣の若手の底上げが乏しいという点だ。今シーズンの二軍でチーム上位の成績を残している選手を並べてみると以下のようになっている(年齢は2025年の満年齢)。

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勝利数(8勝):早川太貴(1年目・26歳)

投球回(94.1回):伊藤稜(4年目・26歳)

試合数(41試合):椎葉剛(2年目・23歳)

セーブ数(10セーブ):岡留英貴(4年目・26歳)☆リーグ1位

奪三振(82奪三振):ビーズリー(3年目・30歳)☆リーグ1位

※9月24日時点

門別、今朝丸…注目株もいるが

 早川は1年目ではあるが、大学卒業後に社会人のクラブチームとくふうハヤテでプレーした後に入団したいわゆる“オールドルーキー”であり、既に中堅と言われる年齢に差し掛かっている。伊藤と岡留も大学卒4年目で早川と同じ学年であり、純粋な若手と言えるのは椎葉だけなのだ。

 投球回数が多い順に選手を並べると伊藤、早川、ビーズリーの次に今年で35歳となる西勇輝が続いており、椎葉以外の若手で目立つのは高卒3年目の門別啓人と高卒ルーキーの今朝丸裕喜くらいしか見当たらない。

 一軍の主力投手を見てもベテランと言われる年齢の選手は多くはないものの、村上頌樹(27歳)、才木浩人(27歳)、石井大智(28歳)、伊藤将司(29歳)、大竹耕太郎(30歳)と20代後半に偏っており、25歳以下の若手で現時点で主力と呼べるのは及川雅貴(24歳)とルーキーの伊原陵人(25歳)だけである。野手に比べると投手の備えは不十分であることは確かだろう。

 原因は近年のドラフト上位で期待されて入団した投手陣の低迷にある。

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