沖縄で開催されたU-18野球ワールドカップ。甲子園優勝投手の末吉良丞(沖縄尚学)や最速158km右腕の石垣元気(健大高崎)らを擁して準優勝を果たした日本代表チームで、国内外のスカウトの目に留まったのはどの選手だったのか。そしてチーム唯一の2年生ながらエースを任された末吉の“意外な本音”とは? 現地で聞いたリアルな声をお届けする。(全2回の1回目/後編へ)

惜しくも準優勝…それでも末吉良丞に注がれた大声援

 ここまできても、この2年生投手の底はいまだ見えない。

 甲子園優勝投手、剛腕、怪童……。どの冠がもっともふさわしいのだろうか。ただひとつ言えるのは、「粘投」という言葉がよく似合うということだ。

 本州が琥珀色の夕日に差し掛かる時間帯でも、沖縄の日差しはまだまだ鮮明な影を映し出す。鮮やかなスカイブルーの空に真っ白な入道雲が意思を持つかのように陣取るなか、U-18野球ワールドカップ決勝のマウンドに末吉良丞が降り立った。

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 決勝前日に小倉全由監督が「明日のアメリカ戦の先発は末吉で行きます」と発表し、急遽追加チケットが販売されたこともあって、大勢の沖縄県民が詰めかけた。さらに在日米軍とその家族が多く住む沖縄の地でもあるため、決勝戦は1万6693人を集客する。甲子園に続く栄光に向けて、舞台は整った……はずだった。

 末吉は、1点を取られた4回1死で降板する。

「よくやったー!」「末吉ー!」「頑張った!」

 球場の重苦しい空気を切り裂くように指笛が鳴り響き、大会中一番の声援を受けて末吉はマウンドを小走りに降りた。打たれたわけではない。ただ点を取られただけだ。

 沖縄尚学が甲子園で優勝した熱狂が冷めやらない沖縄の地で、U-18野球ワールドカップが9月5日から10日間にわたって開催された。日本は大会初の2連覇を狙ったが、決勝戦でアメリカに敗れ惜しくも準優勝に終わった。

 甲子園優勝チームの沖縄尚学から唯一2年生の末吉だけが代表選出されたこともあって、地元紙は連日大きく紙面を割いた。甲子園での激闘で疲れているはずの末吉は、素知らぬ顔で自らのポテンシャルを強烈にアピールした。

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