2025年9月20日6時0分
阪神対DeNA DeNAに勝利し、タッチを交わす阪神岩崎(左)と梅野(撮影・前田充)
<阪神4-0DeNA>◇19日◇甲子園
7回、DeNAの攻撃時だ。先頭で打席に入った松尾汐恩が捕手・梅野隆太郎に何か言っている。これは“アレ”かなと思った。早川太貴らを好リードした梅野への虎番記者たちの取材が終わった頃、聞いてみたのである。あれはアレ? と。はたしてそうだった。
「ブロッキング教えてくださいよ」-。松尾はそう言ったという。6回、阪神の攻撃時だ。2死二塁で打席には梅野である。その平行カウントからの5球目、DeNA坂本裕哉の投じた変化球がワンバウンド。これが松尾の股間を抜けていく。記録は暴投。だがひょっとして梅野なら止めているかな、と思った。その後にヘルナンデスのダメ押し適時打が出る。
止められたかも…。他でもない松尾もそう感じていたのだろうか。だから、つい梅野に聞いてみたのかもしれない。なにしろブロッキングの名手だ。その気持ちは分かる。そして、そこでちゃんと答えるのが梅野という男だ。
「『ブロッキング教えてくださいよ』って言ってきて。甲子園は一番、難しい。やっぱり下(グラウンド)が荒れていることが多いし。跳ねたり跳ねなかったり、跳ねない方が難しい。『もっと思い切り足をバッと引いた方がいいよ』みたいに言いましたけどね」
名門・大阪桐蔭出身の松尾はDeNAはもちろん、今後のプロ野球を背負っていく捕手の1人だろう。真剣勝負の中、チームの垣根を越えて、そんなアドバイスをしていたのも興味深い。何より、ライバル球団の選手からそう聞かれる梅野の存在が光るのだ。
今季は坂本誠志郎に正捕手の座を明け渡しているが、こうやってパッと出て、強打のDeNA打線を0封するのだから、この面でも他球団から羨望(せんぼう)のまなざしを浴びるチーム状況だ。
その阪神は、攻撃で実に4度まで盗塁を敢行。2回に大山悠輔が刺された。4回は森下翔太が走ったが打者・大山が四球。さらに5回は復帰した佐藤輝明もスタートしたが、ここは大山が三振した。そして6回には熊谷敬宥がこれも刺された。ここでは松尾は頑張っていたということだ。
「CSどうこうじゃないですよ。真剣にやってる結果」。外野守備兼走塁コーチの筒井壮は盗塁をそう説明したが、どうか。見えないところで、いろいろなことが起こっている。消化試合ではない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)
阪神対DeNA DeNAに勝利し岩崎(左)は笑顔で梅野と握手する(撮影・加藤哉)
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