ソフトバンク移籍1年目の上沢直之が活躍している。チームで4人目となる10勝に到達。移籍の際に浴びた批判、崩したフォーム、復活のきっかけ…現地記者が上沢に話を聞いた。【全2回の2回目/1回目へ】
上沢直之は昨シーズン、米球界でプレーする中で「自分の強みが分からなくなった」というほど投球フォームを崩していた。
だが、待ちわびた覚醒は突然やってきた。
8月20日の西武戦(みずほPayPayドーム)の登板がその転機になったのだが、前日練習の出来事がきっかけだった。
なぜ復活? 転機は“会話”
ADVERTISEMENT
トレーニング用のメディシンボールを壁に向かって投げていた時、右足をぐっと踏ん張って体の使い方をすると力が上手く伝わるように思えた。地面をしっかり意識して、右のつま先が早めにキャッチャー方向を向かないように我慢するのがポイント。近くにいたトレーナーにそう水を向けて会話を交わす中で「じゃ、明日そんな意識で投げてみようかな」と思い立ったという。
当日、ぶっつけ本番。いざ投げてみるとストレートが生まれ変わった。もともと良質な伸びのある球を投げるが、それに加えて球速が150キロを超えるようになった。
「感覚的に、左足を(地面に)ついてから長くボールを持てている感じがあった。真っすぐがいいから変化球でも空振りが取れる。ホークスに来てから正直、めちゃくちゃいいという感覚がまだなかったんですが、それを感じることが出来たんです」
この日の西武戦は7回を100球2失点でまとめ12奪三振をマークした。ソフトバンク加入後初の2桁奪三振だ。日本ハム時代を振り返っても1試合12奪三振以上は2018年まで遡る。月をまたいで最初の登板だった9月4日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)でも8回で9三振を奪って無失点と快投して今季11勝目を挙げた。また、この試合でNPB通算1000奪三振の節目の記録も達成した。
「もともと三振を多く奪うタイプじゃないんですけどね」
そう言って照れ笑いを浮かべるが、今年は意識的に三振を増やすべく落とすボールに手を加えた。
同僚が教えた…“魔球”の習得
「日本ハムの時もアメリカでも、僕が投げていたのはいわゆるスプリットでしたが、今はフォークという表現が合っています。もともとの投げ方でしっくりこないと思うようになった。というか、急にスプリットが思うように投げられなくなったんです」
日本ハムでプレーしていた2023年シーズンあたりから「年々握りづらいと思うようになったけど、指先が痛くなったりして」良い感覚がなくなっていたという。

NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball