
タマスタの室内練習場でキャッチボールを行う村上
ソフトバンク・村上泰斗投手(18)が昨秋ドラフトで1位指名された裏側には“理想のお父さん”と話す父・高広さんの存在が大きい。野球未経験ながら練習に付き合ってくれた日々を振り返った。また現在は右肘と腰の炎症のためリハビリ中。戦線離脱したことで受けたストレスは大きく、食事が満足に取れなくなった時期もあった。現在の心身の状態と今後の目標を聞いた。
昨年10月24日、ドラフト会議で1位指名された運命の日から約10カ月が経過した。ソフトバンクは1位で宗山塁、外れ1位で指名した柴田獅子が他球団と競合して、クジでいずれも外した。村上はその時に「(指名が)来るなら今やな。マジで来い」と願った。名前が呼ばれると笑顔を見せ、涙もこぼした。
プロ入りまでの道のりで家族の支えが大きかった。父・高広さんは野球未経験ながら小学時代から毎日練習に付き合ってくれた。神戸弘陵に入学し、寮生活が始まるとまめに連絡してくれた。「毎試合メッセージを送ってくれた。結果だけでなく良かったところや気になっているところを言ってくれた」と振り返る。何をするにも家族を優先する“理想のお父さん”。恩返しとして「京セラなど関西の球場で投げたい」と目標の一つに掲げる。
高校進学後に投手に転向し、3年ほどでドラフト1位まで成長できたのは勝ち気な投手向きの性格がプラスに働いている。「マウンドでは“打ってみーや”と思ってる。ピッチャーは唯一、バッターと戦えるし、試合の中で一番目立てる」。高校1、2年の時は目の前の打者を抑えるのに必死だったが、3年になると余裕ができ、マウンドでは打者を上から見下ろす意識に変わっていった。マウンドでは強気だが、普段は全く違う。「意識して人に対して下からいくのが良いと思う」と語り、「1位指名も入ったら関係ない」と謙虚に語る。
5月4日の九州アジアリーグ火の国戦で初めて実戦登板し、1回を無安打無失点に抑えた。直球は151キロをマークし、1軍での登板を目標に掲げたルーキーイヤーでのスタートを切ったが、右肘と腰の炎症で6月後半からリハビリ組に移管された。大事な時期の離脱に「なんでやねんって、むかついたり落ち込んだりした」。ストレスは大きく、空腹でも食べ物を目の前にすると吐き気がし、好きだった夜食のお茶漬けも食べられなくなったという。気持ちを切り替えて体づくりに重点を置き、現在は痛みは消えて、心身ともに回復。9月中の実戦復帰を目指している。
目指すはみずほペイペイドームのマウンドだが、筑後でも学べることは多い。「調整でファームに来ている投手陣の行動に見入っている」と貪欲だ。このリハビリ期間を決して無駄にしない。
(昼間 里紗)
◇村上 泰斗(むらかみ・たいと)2007年(平19)2月20日生まれ、兵庫県出身の18歳。小1から白金メッツで野球を始める。中学では大阪箕面ボーイズで捕手兼外野手。神戸弘陵で投手に転向し、2年春からベンチ入り、同秋からエース。3年夏は兵庫大会3回戦で敗退した。1メートル80、70キロ。右投げ両打ち。
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