先月、巨人・阿部慎之助監督の采配が賛否両論を巻き起こした。バント失敗や走塁ミスをした選手を即座に交代させる、いわゆる「懲罰交代」だ。しかし、元プロ野球選手でNHK解説者の武田一浩氏(元日本ハム、ダイエー、中日、巨人)は、こうした報道に疑問を投げかける。【全2回/藤浪への苦言編も公開中】
バントを失敗した選手をすぐに交代させる阿部監督の采配について、武田氏は「騒ぎすぎだ」と一蹴する。
「あれを『懲罰交代』って書くこと自体が、おかしいんですよ。野球は勝つためにやるもの。駄目な選手がいたら、そりゃ代えるのは当然でしょう。ピッチャーだって打たれたらすぐに代えられるわけじゃないですか。送りバントを2球連続でファウルして、3バントも失敗したら、そりゃ代えられるでしょ。だって、監督は期待してその選手を送り出している。練習もさせている。その役割ができないんだったら、代えるのは当然だよ。これを『懲罰交代』だなんて、あまりに書きすぎだ」
武田氏にとって、監督の采配とは「勝つための選択」であり、そこに懲罰という概念はない。
「ピッチャーが打たれてマウンドを下りたら、それはみんな『懲罰交代』なんですか? 違いますよね。監督は、チームの勝利という責任を負っている。勝たなければいけないから、代える。野球は9人でやるスポーツ。その中で、その日調子が悪い人がいれば、代える。これは当たり前のこと。これを『懲罰』と書くのは違う」
阿部監督の厳しさが目立つ背景には、ジャイアンツというチームが持つ特異性も関係している。
「巨人だから目立つんでしょうね。でも、そんなの気にしなくていい。日本ハムの新庄(剛志)監督だって容赦なく選手を代えるじゃない? ホークスの小久保(裕紀)監督もちゃんと代えます。オレが現役の頃一緒だった工藤公康さんも秋山幸二さんもそうです。2人とも監督になったら、ミスをした選手をずっと試合に出し続けるなんてことはしなかったですよ」
阿部監督だけが厳しく書かれている状況を、「かわいそうだ」と武田氏は語る。

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