
8月14日、ウエスタン・リーグの試合後にタマスタ筑後のファンズロードでサインを書き続けるソフトバンク・今宮
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これまで複数球団と関わった私が感じている「ソフトバンク選手のファンサービスのレベルの高さ」の理由を分析してみました。
8月12日にウエスタン・リーグのくふうハヤテ戦で実戦復帰した栗原陵矢内野手は、ファンの存在を「応援のおかげで思った以上の力が出るときもある。凄く大切」と丁寧な言葉で表現しました。また今年の春季キャンプ前、城島健司CBOから改めて「ファンがあってのチームだよ」と話があり「少しでも時間があればサインを書こう」といま一度考えたそうです。実際タマスタ筑後でのリハビリ期間にも、サインを書く姿を何度も見ました。
同じく12日に復帰した今宮健太内野手は「暑い中、試合を見に来てもらっている」と感謝し、試合後に15分以上サインを書いていました。ベテラン選手がシーズン中に長時間サインを書くのは、異例なことだと思います。この積極的な行動は先輩の影響もあり「川崎宗則さんは皆さんに楽しんでもらうためにシートノック前にいざゆけ若鷹軍団を踊っていた。うらやましいなと見ていたが、僕にはサインくらいしかできない」と話し、ファンサービスはどの球団もやっているだろうと前置きをしながら“ホークスの伝統”とも語りました。
22年に現役を引退した明石健志R&Dグループスキルコーチも、普段はクールながらファン対応は怠りません。その理由を「王会長がサインを書いているのを見てきた。知り合いの家にも必ずと言っていいほど会長のサインがあり、相当書いたと思う」と、お手本は大先輩の行動にあると話しました。
3人に共通することは、誰かの指示ではなく、自ら考えてということ。そしてその考えは、先輩の背中や言葉から影響を受けているということです。根本を探ると“ファンサービスをすることで野球を見る人が増え、野球界を盛り上げたい”という“王イズム”が選手たちに根付いているのだと思いました。ファンへの心も、その表現方法も、無意識のうちに受け継がれているように感じます。
球団も工夫しています。例えばタマスタ筑後のメイン球場と室内練習場をつなぐファンズロードは、キャンプで選手がサインや撮影に応じる“生目の杜運動公園の通路”をイメージ。選手に対して、シーズン中もファンとの接触を促す設計になっています。
ルーキーの川口冬弥投手はファンに対し「一番は野球をしている姿で恩返ししたいけど、形にできるのはサインを書くことなので、時間があるならば書きたい」と言い、同じくルーキーの安徳駿投手は「ファンのためにというより、お話している感覚。なるべく1ラリーは話して雰囲気を良くしたい」と若鷹たちからも頼もしい答えが返ってきました。これからも王イズムは継承されていきそうです。 (昼間 里紗)
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