
「Good Jobステッカー」を手渡された北海道シミズの成田さん(左)と日本ハムの小村勝球団社長
Photo By スポニチ
日本ハムの本拠地・エスコンフィールドでひそかに、球場スタッフに配布されているものがある。それは、「勝」と印字された金色の「Good Job ステッカー」だ。来場したファンに良い行いをしたボランティアを含めた球場スタッフへ配布されている、いわば表彰状のようなもの。感謝と激励の意味を込めて、小村勝オーナー代行兼球団社長が直接、手渡している。
達筆な「勝」の文字は、幼少期に書道を習っていた小村社長が、自身の名前を毛筆で書いたものをプリントした。開場3年目を迎え、さらなるファンサービス向上のために、まずは球場で働く人のモチベーションを上げる狙いだ。組織のトップである球団社長から感謝の言葉とともに手渡されれば「これからも頑張ろう」という気持ちになりそうだ。
球団職員の中川綾さんらプロジェクトチームの発案で、7月からこの取り組みが始まった。中川さんは「良いサービスをしたエピソードを聞いたら、小村社長に伝えています。野球だけでなく、サービスを見に来るようなエンターテインメントを目指していますし、一つのモチベーションにしてもらえたらいいと思っています」と語る。
特に事前の相談もなく、手渡し役に任命された小村社長は「僕のことを使いたい放題だと思っている。(職員が自身を)使い倒してくる」と笑うが、独自のアイデアを出す職員の努力に少しうれしそうでもある。ただ、小村社長は本拠地での試合のたびに約2万歩も歩いて球場内を見回っており、「職員の中でも球場を一番見ている人」との声もある。任命されるべき理由はちゃんとあるのだ。
7月31日には、球場内の警備を担当する「北海道シミズ」の成田泰士さんが第1号でステッカーを手渡された。成田さんは、ファウルボールで持っていたうちわが壊れたファンを見つけ、すぐさま自主的に新しいものと取り換えたという。また、同日は球団公式チア「ファイターズガール」の上村優菜さんにも、グラウンドに落ちていたゴミを見つけて拾ったことでステッカーが贈られた。
新庄剛志監督は、なによりもファンを大事にして常に魅力ある試合をファンに見せることを心がける。その「ファンファースト」の思いは、グラウンド外の球団職員も同じだ。目指すところは、従来の野球場を超えたサービスの提供。「たかが」ステッカーだが、こうした小さな取り組みから、働く人の意識も変わっていくのだろう。(記者コラム・田中 健人)
続きを表示

NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball