育成指名の入団から8年目、DeNAのブルペンで着実に存在感を増している中川虎大。投球の半数以上がフォークという特異なスタイルで奮闘を続ける中川に、今季の変化を聞いた。〈全2回の1回目/つづきを読む〉

 勝ちパターンでもモップアップでもなく、僅差のビハンドから同点、リードの場面まで。決して目立つ役割ではないが、苦しいチーム状態にあってあらゆる場面でマウンドに立ち、ブルペンの中核として重要な役割を担っているのが中川虎大(こお)だ。今季を振り返り静かな口調で語る。

「正直、納得しているかって言われたら納得していないし、自分のボールが投げられているわけでもないんです。例えば去年だったら真っすぐにスピードがあって、ゾーンでどんどん勝負していったんですけど、今年は安易にそうしてしまうと打たれてしまう」

 赤裸々に中川は言った。確かに、リリーフとして台頭した昨季は、ストレートのアベレージは150キロだったが、今季は147キロ程度である。

「だから去年よりもだいぶ頭を使ってピッチングをしていますね。ただ今年に関しては、コマンド(制球力)の部分の数字は確実に上がっているので、そこで勝負できているのかなって。以前、打たれるときっていうのは、厳しいところを狙い過ぎてボールになってカウントが苦しくなり、甘いところに投げるしかないって感じだったんですけど、今年は割り切って最初はカウントを取るのにちょっと甘めでもいいかなって考えられるようになりましたね」

 シンプルなパワーピッチャーから脱皮しつつある、コマンドが向上したがゆえの投球術。そんな中川を支えている球種が、全投球中50%以上の割合を占めるフォークボールである。

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