プロ野球のレギュラーシーズンはおおよそ90試合を終えた。昨季91敗とダントツ最下位に終わった西武は42勝45敗の4位。昨季と比べれば良い位置につけているとも言えるが、交流戦が空けてからの成績が良くないだけに、ポジティブな状況ともいえない。オールスターブレイクを利用して前半戦を振り返り、収穫と課題を整理したい。

開幕3連敗と最悪のスタートを切った西武だったが、先発陣の奮闘により状況は一変した。昨季から好調だった先発は今井達也、隅田知一郎がバージョンアップ。昨季を維持したにとどまらず、さらなる成長を見せたことからチーム状況は良い方向に向かった。

今井は3、4月の防御率が0.69、隅田は0.58 で月間MVPを獲得。翌5月はまたも0点台の防御率をマークした今井が月間MVPを獲得した。渡邊勇太朗、菅井信也、與座海人も調子をあげ、高橋光成が復活。怪我で出遅れていた武内夏暉もローテに加わった。

リリーフ陣もクローザーを平良海馬と決めた以外は流動的に起用したことが功を奏し、豊富なブルペン陣を形成。ウィンゲンター、甲斐野央に加え、山田陽翔、ラミレスなどが勝利の方程式にも起用できるようになった。

一方の打線は、今季から加入した、渡部聖弥、ネビンが打線を引っ張った。渡部は怪我で離脱があったものの、ネビンは5月には月間MVPを獲得。契約の再延長を果たすなど、チームに欠かせぬ存在になった。

先制点を挙げて先に3点目を挙げれは9割の勝率をマーク。先行逃げ切り型の野球は、切込隊長の西川愛也が1打席目の打率が341をマークするなど好調もあって、試合を優位に進めことができていたためだった。

もちろん、序盤戦には課題もあった。3点目を先に取ると勝率は高かったが、先行逃げ切りの試合でも、さらに突き放すという試合が少なく、それは攻撃面の課題でもあった。

追加点をあげられないので、先発が頑張るしかなく、今井や隅田ら先発投手のイニング数は伸びた。それは勝っている試合展開においては問題なかったが、先制をされた場合や同点に追い付かれるなどをした場合には、脆さを露呈した。追加点や逆転劇。もうひとランク、攻撃力を上げる必要がった。

そんな中において、交流戦の阪神との3連戦は明るい兆しの見える試合ではあった。

6月10日の第1戦目は8回まで2点を背負ったが、8回裏に、1番の西川愛也、滝澤夏央の連打でチャンスメーク。1死後、ネビンの右翼的時二塁打で1点を返すと、1死満塁から源田壮亮、山村崇嘉の連打で逆転したのだった。今季初の2点差以上をひっくり返す逆転劇だった。翌日も、2点ビハインドの9回裏、好機を掴むと、源田、炭谷銀仁朗の適時打でサヨナラ勝ちしたのだった。

投手陣が好投した中での試合ではあったが、2点差をひっくり返す試合展開に、それまでの戦いとは異なる勝ちパターンもみせるようになり、チームの成長を感じたものだった。

開幕からレギュラーとして君臨していた長谷川信哉は度々お立ち台に上がり、源田の離脱から滝澤がポジションを獲得して、交流戦のタイミングで昇格した山村もスタメンの機会が増えた。西川を先頭に渡部、ネビンが引っ張る打線に少しずつ明るい兆しは見えつつあった。

交流戦は勝ち越すことができたが、パ・リーグの各球団も同じように勝ち越したために、差はつかなかった。リーグ再開からどのような試合を展開していくのか。しかし、そこで待っていたのは、好調の裏でチームのちょっとした歪みが最悪の状態を招くのであった。(続く)

 

【前半戦総括②】西川ら打線が軒並み不調。エース今井の緊急降板からの敗戦にみた不安。

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