12日、ヤクルト戦の7回、坂本がボールを逸らす間、小幡は二塁ベースカバーに入り、二盗する岩田にタッチするふりをする(右)に岩田(右)の<神・ヤ(12)>7回、二盗を決めた岩田(右)にタッチするふりをする遊撃手・小幡
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 【猛虎プロフェッショナル“技の流儀”】阪神選手の「ここが凄い」というプレーなどに迫る「猛虎プロフェッショナル“技の流儀”」。今回は、7月12日のヤクルト戦で遊撃・小幡竜平内野手(24)がとっさに進塁を阻止した“フェイク守備”の秘訣(ひけつ)を聞いた。

 SNSの普及などで海外の情報が手軽に入るようになった昨今。小幡も攻守両面でのレベルアップを求めて、動画を有効活用している一人だ。

 「普段からそういうプレーは見ますね。勉強にもなりますし」
 時代の最先端をいく打撃のメカニズムや華麗な守備だけが目的ではない。「そういうプレー」と話したのが“フェイクプレー”の研究。情報収集が生きたシーンは12日のヤクルト戦だった。

 1点リードで迎えた7回だった。2死一塁で、一走には俊足の岩田がいた。1ボールからの2球目。デュプランティエのモーションを完全に読み切っていた岩田は好スタートを切った。右腕が投じたのは外角へのカットボール。だが、二盗を阻止するために片手で捕球にいった捕手・坂本は捕球できず、バックネット方向へそらしてしまった。小幡が瞬時に機転を利かせたのはここからだ。

 「僕が先に三塁のベースカバーに行っちゃうと、ランナーに分かってしまう。引っかかってくれるかな?と思いながらやりました」
 小幡は二塁のベースカバーに入った際、坂本からの送球が来るかのような偽装を見せた。もちろん、走者の岩田はその動きが見える。二塁ベースへ向かってスライディング。デュプランティエの投球がバックネットまで到達していることを、岩田は二塁ベース上で気づいたが、時すでに遅しだった。

 「岩田さんからは二塁で“だまされたわ”というふうに言われました」

 1点を巡る攻防。もし三塁への進塁を許していれば、自身も含めた守備側にかかるプレッシャーはまるで違っただろう。タイミング的には完全に三塁まで進まれておかしくなかっただけに、ピンチの広がりを未然に防いだ好プレーだった。

 「自分を助ける意味でも良かったと思うプレーでした」

 この試合で決勝打を含む計2安打2打点と躍動した小幡がみせたスゴ技。野球の醍醐味(だいごみ)は打って走って守るだけではない。相手を欺いて勝利を引き寄せるプレーも、一つの技である。 (石崎 祥平)

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