「プロ野球はファンあってのもの」と語る長嶋茂雄氏
今シーズン(2014年)の巨人は苦労が多かった。交流戦の頃は投打がうまくかみ合った一番いい状態。ファンの皆さんは、今年も巨人の優勝は間違いないと思われたはずです。
ところが、夏場にかけてけが人が出て、投打のバランスが崩れてしまった。3割打者が一人もいない不安定な打線。投手もいきなり大量点を取られたり、接戦で抑えが踏ん張りきれないといった状態で、一喜一憂が続きました。
こうしたチームを何とか勝たせたのは、原辰徳監督の工夫というか、勝利への強い執念だったと思います。ペナントレースは3連覇できましたが、クライマックスシリーズのファイナルステージではご存じの通り。調子を上げてきた阪神に、一方的に押し切られる結果になってしまいました。
原監督は来季(15年)に向けて、「チームを解体し、新しく生まれ変わってスタートしたい」と言っています。補強する選手もベテランを含め、いろいろ進めているようなので、どのような顔ぶれがそろうか。新しくスタートを切る巨人に期待したいですね。
巨人以外にも楽しみはありますよ。日本ハムの大谷翔平(現ドジャース)は将来、165キロくらい出しそうだね。まだ2年目が終わったところ。腕が長いし、真っ向勝負は見ていて気持ちがいい。今の投手はスプリット・フィンガード・ファストボールとか、スライダーとか、曲げて落としたがるでしょ。大谷は真っすぐと、縦の変化球。こういう投手は、なかなかいません。
2014年11月9日に故郷の千葉・佐倉市で開催された少年野球教室で、子供たちのプレーに目を細める
もちろん投手は大事だけど、僕はすごい打者にも出てきてほしいなあ。バッターは毎試合、プレーを見ることができるものね。
いいバッターがいてこそ、名勝負が生まれます。巨人―阪神での僕と村山実、王(貞治)さんと江夏豊とかね。われわれの時代は魂と魂の対決というか、男と男の勝負がありました。ファンもそれを楽しみにしていたけど、今ではあまり見られなくなったね。
なんといってもプロ野球はファンあってのもの。子供にも、おとなにも、いろいろな形で興味を持ってもらうこと、これしかありません。全国にファンがいる巨人だけの問題じゃない。12球団が、監督が、選手が、それにコミッショナーがどう思い、何をするか、それが大事です。=おわり(2014年12月20日付紙面に掲載)
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