2000年の宮崎キャンプで巨人の背番号3が復活した
「10・8」を制して優勝した1994年は日本シリーズでも西武を4勝2敗で下し、監督として初の日本一になりました。もう一つ、忘れられないシーズンは「メークドラマ」の96年ですね。
この年は開幕から調子が上がらず、3~5位を行ったり来たり。7月9、10日の首位広島との直接対決(札幌円山)を前に、担当記者に「札幌がヤマになります」と言うと皆、けげんそうな表情でした。広島には最大11・5ゲーム差をつけられ、すでに自力優勝の可能性が消滅していましたからね。
9日は二回にセ・リーグ記録に並ぶ9者連続安打などで一挙7点を奪い、10―8で打ち勝ちました。10日も3―1で連勝。ここから監督、コーチ、選手が一体となって勝とうという雰囲気が出て、1点差や2点差のすごいゲームをものにしていきました。広島は9月に失速。10月6日、2年前と同じナゴヤ球場で2位中日との直接対決を制し、大逆転優勝を成し遂げました。
《長嶋監督は2連覇に挑んだ前年(95年)の夏にも「メークドラマ」を口にしていた。しかし、優勝したヤクルトに10ゲーム差の3位。「メークドラマ」は2年越しの達成だった》
20世紀最後の年、2000年は背番号3を復活させました。広島からフリーエージェント宣言した江藤智に、何が何でも巨人に来てほしかったんですよ。それで広島でつけていた「33」を譲り、自分で26年ぶりに「3」をつけようとね。僕にとっては、ただの数字の3ではありません。今でも大事にしています。今後も、他の人に譲ることはありませんね。
1996年7月9日、広島戦の二回に満塁弾を放った川相昌弘(右)を笑顔で出迎える。この試合から「メークドラマ」へ突き進んだ
この年は4年ぶりにセ・リーグを制し、日本シリーズは王貞治監督率いるダイエー(現ソフトバンク)と顔を合わせました。東京と福岡で王さんと選手権を争うというのは、不思議な気持ちでした。王さんもそうだったと思います。
しかし、勝負は別です。第1、2戦は本拠地で2連敗しましたが、東京へ戻ってきて絶対に勝とうと。その通り、敵地で3連勝。第6戦は松井秀喜の2ランなどで9―3で勝ち、6年ぶりに日本一を奪回しました。21世紀に向けて、いい橋渡しができたと選手に感謝しています。
(2014年12月18日付紙面に掲載)
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