
<D・神>3回、二盗を決めた近本(撮影・尾崎 有希)
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【畑野理之の談々畑】ミスをした方が負けだとよく言われる。守備のエラーにバント失敗、不要な四球…。特に走塁ミスはチームの勢いを殺してしまう、と大げさな表現を使われて戒められる。
DeNAは3回1死で、石上泰輝が中前打も次打者がバント失敗。2死一塁からは一塁走者の石上がけん制死でチェンジとなった。4回も無死二塁からの犠打を決められず無得点。2イニング連続のバント失敗は致命的で、その後は反撃ムードも高まらないままジョン・デュプランティエにわずか108球で完封を許した。
今季の阪神のストロングポイントの一つに機動力がある。本塁打が出やすいことで知られる横浜スタジアムだが、それ以上に盗塁攻めが功を奏している。この日も3回2死から二盗に成功した近本光司はリーグトップの20個のうち5つを同球場で決めている。失敗は1つで成功率は・833。チーム全体でも成功9度で失敗は2つなので同・818。ちなみに近本は通算でも成功27度(失敗5度で成功率・844)で、ビジター球場の中では圧倒的に多い。
阪神OBで通算381盗塁の赤星憲広氏は、盗塁の数以上にこだわっていたのが成功率だ。「盗塁はチームに勢いをつけるが、逆にブレーキを踏む危険性もある。だから70%以上の確率がないと、僕は走らなかった」。その赤星氏も現役時代は横浜スタジアムでは49回成功して、失敗はわずか3度。成功率・942はセ・リーグの本拠地では断トツだった。相手バッテリーとの関係もあるが、横浜スタジアムではいかに有効なのかが分かる。
基本的には甲子園のような土のグラウンドよりも、人工芝の方が加速しやすい。横浜スタジアムはかねて使用していたロングパイルという人工芝を今年3月に7年ぶりに張り替え、もしかしたら新しい芝は、さらにスピードに乗りやすいのかもしれない。同じ人工芝を使用している東京ドームでの近本の通算成績を見てみると、成功11度、失敗2度で、成功率・846はセ・リーグ球場の中でトップなのもうなずける。
本塁打の出やすさよりも、走りやすさ――。3回のけん制死で勢いがなくなったDeNAに対し、ダイヤモンドをぐるぐる駆け巡ってどんどん加速する阪神。横浜スタジアムで5勝1敗、東京ドームでも5勝1敗。この数字は決して偶然ではないと思う。
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