<神・巨>9回、サヨナラ犠飛を放った豊田(右)とハイタッチする大山(撮影・平嶋 理子)
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 自分が打ったことよりも、チームの勝利を誰よりも貪欲に追い求める男。それが阪神・大山だ。劇的なサヨナラ勝利をおさめた試合直後。開幕から不動の5番としてチームの浮沈を背負う背番号3は「(豊田)寛が決めてくれて、それでチームが勝ちましたし、勝ったことがいいと思う」と話し、クラブハウスへと引き揚げた。

 6番・豊田の目の前で、大きな背中を示し続けた。2点ビハインドで迎えた2回1死無走者からチーム初安打となる左前打。号砲を打ち鳴らすと、次は反撃のノロシを上げた。

 「2点差でしたし、まずは1点をどんな形でも取りたかった。しっかり打ち返せてよかった」

 0―2の4回だ。1死から森下、佐藤輝の連打で回ってきた一、三塁の好機。1ストライクから内角に食い込んできたカットボールを、鮮やかに左前へ運んだ。1点差に迫る適時打を放つと、この日一番の勝負どころではサヨナラ機を豊田につなぐ一撃も放った。

 2―2のまま迎えた9回。目前で佐藤輝が申告敬遠で歩かされ、無死一、二塁となった。1ボールからマルティネスの真ん中直球をはじき返した打球は、投手強襲の内野安打となった。結果的には次打者・豊田のサヨナラ犠飛が勝利打点となったが、実はその前に、背番号3の強烈な一撃が、相手守護神の心を実質へし折っていた。

 「伝統の一戦」が、その闘志に火をつけるのか。これで巨人戦は開幕から全15試合連続安打とし、カード別打率・383。今3連戦でも計6安打を放ち、シーズン打率・257まで上昇させた。開幕から好調だった森下が停滞気味の現状、今こそ“夏男”がチームの原動力となるときだ。

 今季4度目の3安打猛打賞をマークし「また、明日から頑張ります」と短い言葉に決意を込めた。きょう4日からは敵地でDeNA3連戦。4月23日の延長10回に決勝アーチをかけたハマスタで、再び快音を響かせる。(石崎 祥平)

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