「上沢直之のソフトバンク入り…何もおかしくないよ」。評論家・江本孟紀が本音で語る、今季のプロ野球ストーブリーグ解説。【全2回の2回目】

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――今季のストーブリーグ、巨人とソフトバンクの積極補強が目立っています。

江本 お金あるチームは、どんどん動いていいんですよ。プロ野球はお金の世界なんだから。いい選手にお金を使うというのは当たり前のことだよ。球界が盛り上がるしね。

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――なかでも騒がれたのが、上沢直之投手のソフトバンク入りです。2023年シーズンオフ、日本ハムからポスティングでメジャー挑戦するも、1年で日本球界に復帰。選んだ球団は、古巣ではなくソフトバンクでした。やりきれない思いを抱える日本ハムファンも多いようです。

「プロ野球に義理人情はいらない」

江本 まあ、ファンはそう感じると思う。心情的には理解できる。だけどね、プロ野球は義理人情の世界じゃないから。いい契約を結んでくれるところに行くというのは、選手にとって当たり前ですよ。ルールに違反しているわけでもないからね。

――ポスティングで日本ハムが手にした譲渡金が約90万円と少額であったことも、批判の種になっているようで。とはいえ、プロ野球界は義理人情でなく、あくまでビジネスの世界だと。

江本 そりゃそうですよ。有原航平の例(日本ハム→メジャー挑戦→ソフトバンク)もそうだったけど、文句を言うような話じゃないね。球団も選手も、それぞれのタイミングでベストな決断を考えます。それが普通です。そこに、情なんて入る余地はない。俺みたいな、普段は情に生きてるような人間が言うんだから間違いないよ(笑)。

――日本ハムがどれだけ上沢投手の復帰に熱心だったかにも、よりますよね。

江本 その意味ではね、もちろんファンの存在というのはプロ野球で不可欠なんだけれども、最近は少し変だなと思うところもありますよ。少し話が逸れるかもしれないけど。たとえば、ノックアウトされた投手に、立ち上がって拍手したりするファンもいるでしょう。そういうことをやると、選手は伸びない。そういう表面上の“優しさ”のほうが、情がないように映るけどね。選手のことを思うならば、厳しい視点でブーイングすることも大切だと思うよ。

――思えば、上沢投手の前に、FA移籍した近藤健介選手と有原投手といった日本ハムの主力たちが、いずれもソフトバンクに移籍していたことも、ファンの失望を呼んだのかもしれません。

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