トレードを転機として運命を切り開いた選手のひとり、木村昇吾が語る移籍秘話。ベイスターズで必死にもがく木村がきっかけをつかみかけたシーズン後、球団からの電話が——。〈NumberWebインタビュー全4回の2回目/前回を読む〉
人生にはさまざまな縁がある。
一生懸命やっていれば、誰かが見てくれている。自分が変わるための「良縁」にできるかどうか、運を掴めるかどうかは結局のところ己次第と言えるのかもしれない。
クビを覚悟して臨んだ2007年。ベイスターズで5年目を迎えながらも二軍暮らしが続く木村昇吾は、走塁に続いて守備のレベルアップに取り掛かろうとしていた。
スーパープレーより「普通」を求めて
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元々、高校時代からショートの守備には定評があった。肩が強く、守備範囲も広い。2006年限りで現役を引退して二軍の内野守備走塁コーチとなった万永貴司から評価を受けたことも、自信につながった。
「守備のうまかった万永さんから『俺にはないスーパープレーがお前にはある。今ベイスターズの内野を見てもおそらく昇吾が一番うまい。ただ、信頼を得ていない。普通のプレーを普通にこなすことが大事なんだ』と言われました。『普通に、普通に、普通にやるんだ』とも」
一軍に求められる守備は、派手なスーパープレーではないということ。堅実に確実にさばいていくことが信頼につながる。ノックを打つ万永のもと、安針塚の練習場での特守が日課となっていく。
「今のままクビになってしまったら、ああやっておけば良かった、こうやっておけば良かったと後悔するかもしれない。だったらすべてやり切って、振り返ったときに後悔がないようにしておきたい。必死にもがいていたから、万永さんが手を差し伸べてくれたんだと思います。もしヘラヘラやっていたら、毎日あんなにノックしてくれなかったんじゃないですかね」

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