阪神・前川
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 阪神は交流戦までの70試合を38勝30敗2分けのセ・リーグ首位で折り返した。本紙評論家の矢野燿大氏(56)は後半戦の構想を語り、前川右京外野手(22)の復調が打線強化をもたらし、ジョン・デュプランティエ投手(30)はストッパーとしても期待できるとさらなる投打充実を期待した。チームは27日のヤクルト戦(神宮)からペナントレースを再開する。

 打者では前川に注目している。打順6番で左翼に就いて、森下を右翼に、そして佐藤輝を三塁に、開幕時の布陣に戻すのがベターだと思う。ヘルナンデスや糸原、熊谷、高寺らが三塁を守ってきた。もちろん全員に頑張ってほしいが「勝利」と「育成」を並行させる意味でも、将来の中軸候補の一人である前川の奮起に期待したい。

 5番・大山の後ろに、もう一人、前川が本来の状態で加われば打線の厚みはグッと増す。速い真っすぐにも負けないし、変化球の対応もいい。あの力強いスイングは相手バッテリーはやっぱり怖い。

 今の成績(打率・237、0本塁打)ではベンチスタートになっても仕方ないが、試合で起用されないのはそれらの数字だけではないと思う。ファームでの調整期間を課されるのは、何らかの理由があるからだ。打つだけじゃない。守るだけ、走るだけでもない。将来を嘱望されるからこそ野球に向き合う姿勢も大事で、チームのみんなが見ている。ガムシャラさ、必死さなど、もう一度自分を見直すところからはい上がってきてほしい。

 投手ではストロングポイントだったブルペン陣が揺らいだ時期があった。岩崎、桐敷…。石井は頭部に打球が直撃してまだ無理をさせられない。及川の信頼度が上がっている。ネルソンも勝ちパターンに組み込むなど、ここまではやりくりして乗り切ってきた。

 もしも、シーズン終盤になっても不安定なままなら、デュプランティエを後ろに持ってきても面白いと思う。真っすぐに力はあるし、四球を出すタイプでもない。奪三振率が示すようにチェンジアップやカーブなど空振りを取れる変化球もある。走者を出してもクイックはできるし、けん制もフィールディングも「〇」。僅差の展開の8回でも9回でも任せられる条件を全てそろえている。

 先発投手は村上、才木、大竹、伊原に、ここへきて伊藤将にメドが立った。高橋も期待したい。富田やビーズリーは先発もリリーフもできる。先発ローテーションの数は豊富なので、デュプランティエの配置転換は、オプションの一つとして「あり」だと思う。(本紙評論家)

 〇…阪神前川は出場機会を求めて、2軍遠征に参加し、ウエスタン・リーグのくふうハヤテ戦(ちゅ~る)に「4番・左翼」で先発。3打数無安打に終わったが、実戦で感覚を確かめた。1―2の6回1死走者なしではボール球を見極めて、四球を選んで出塁。得点には結びつかなかったものの、抜群の選球眼が光った。5月22日に登録を抹消されていたが、17日に1軍再昇格。「結果の世界なので。結果を出してスタメンで出られるように頑張ります」と決意をにじませていた。

 ▽阪神の今季6番打者事情 9人が務め打率・203、1本塁打、14打点。開幕スタメンの前川は最多の34試合で打率・231、8打点。4月まで打率・307も、5月の不振で22日に出場選手登録を抹消。後任のヘルナンデスも16試合で打率・216、2打点とパンチ力に欠け、甲子園で行われた直近6試合では糸原、小幡との3人での日替わり起用だった。唯一の本塁打は高寺が初6番の5月13日DeNA戦(ハードオフ新潟)で打ったが、次戦以降は続かず4試合、打率・154で定着には至っていない。

 ▽阪神、今季の守護神事情 昨季60試合登板で23セーブの岩崎が開幕から守護神を務め、今季は27試合で14セーブも、不安定な投球が目立った5月以降は中継ぎで評価を得た石井が5月31日広島戦と6月3日の日本ハム戦の登板2試合連続セーブなど、3度の完了登板で3セーブと守護神の役割を担った。しかし石井は6月6日のオリックス戦で頭部に打球を受け戦線離脱。救援陣の連携が崩れたチームは逆転負け6度を含む7連敗を喫し、21日ソフトバンク戦で岩崎が挙げた自身14セーブ目は、3日の石井のセーブ以来、チーム16試合ぶりだった。

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