球団史上初の3年連続最下位……苦しんだ立浪ドラゴンズ。しかし、観客数は伸び続け、ついにあの黄金期=落合博満時代の水準になった。なぜ最下位でも観客が増えたのか? 名古屋で現地取材、大物アナウンサーに話を聞いた。【全2回の前編/後編も公開中】

 平日火曜13時、愛知の豊橋市民球場。16時の開場まで3時間もある。

 4人組の女子高校生、青色の帽子を被った少年たち、ともに「OKABAYASHI」のユニフォームを着たカップル。総勢約60人の中日ファンが、選手を乗せたバスの到着を待っている。

「リチャード、びっくりしなかった?」

「ヤクルト小川って高校、成章なんだね」

 思えばホテルで、豊橋駅近くのドトールで、タクシーを待つ路上で、耳に届く会話の9割以上が「野球」だった。

 年に一度、中日の主催試合が豊橋で行われる。当然、観戦券は完売し、地方球場は1万2000人の客で埋め尽くされた。

「うかい、ストップ! 止まれ! そうそうそうそう」(初回、田中幹也の安打で二塁ランナー・鵜飼航丞が三塁で止まった場面)

「けんとー! 待ってたぞー!」(6回、地元出身のリリーフ・藤嶋健人が登板した場面)

 老いも若きも、子連れの母も。我が子のプレーを見守るようにゲームを見つめていた。世で囁かれる野球人気低迷はどこ吹く風。豊橋市民球場には確かな熱があった。

 ひとつのデータがある。NPBが毎年発表しているセ・リーグ公式戦の入場者数だ。昨季の中日の主催試合は合計233万9541人、1試合平均3万2951人。前年比107%。53年ぶりの日本一に輝いたシーズンの翌2008年以降、最多の観客数になった。そう、中日の試合を観戦する人が増えているのだ。

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