このところ、東京ドームでの試合はホームランで決まることが多くなっているが、5月16日の巨人-中日戦も、ホームランの応酬が続いた。

 4回裏:増田陸(巨人)ソロ

 6回表:上林誠知(中日)ソロ

 8回表:上林誠知(中日)ソロ

 8回裏:吉川尚輝(巨人)3ラン

 一塁側では、終盤の劇的な逆転劇に感涙にむせぶ巨人ファンが続出したが、最終回、ライデル・マルティネスの名前が告げられると、場内の空気が一変した。

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 ライデルは、前年まで中日ドラゴンズの絶対的な守護神だった。しかし今季、4年49億円以上(推定)というNPB史上最高年俸で、巨人に移籍した。ライデルの凄さは、ほかならぬ中日ファンが一番よく知っている。

 左翼からも右翼からも大きなため息が出たが、片方は絶望の、もう一方は安心のため息だったに違いない。

防御率0.00…なぜMLBとは縁もゆかりもないのか

 果たしてライデルは、代打の宇佐見真吾を歩かせたものの17球で中日を退けた。翌日の同カードも最終回にマウンドに立ったライデルは、わずか4球で無失点に抑えた。これで開幕から18試合連続無失点。防御率0.00をキープしている。

 28歳のライデル・マルティネスは外国人選手ながら、MLBとは縁もゆかりもない選手だ。彼のキャリアについて振り返ってみると、野球王国と言われたキューバの現況についても見えてくる。

 2015年、18歳でキューバ国内リーグ(CNS)のピナー・デル・リオに。16年には15試合に投げて2勝2敗ながら防御率1.45の好成績を挙げる。チームメイトには現ソフトバンクのリバン・モイネロがいた。

亡命→MLBの流れ…グリエルらがNPBに派遣された

 かつてはMLBへの人材供給源だったキューバだが、1959年フィデル・カストロによるキューバ革命によってアメリカとは国交を断絶。しかし国家元首に就任したカストロは大の野球好きで、キューバ国内リーグ(CNS)を創設。野球選手は「国家公務員」となってプレーした。そのレベルは極めて高く、キューバはアマチュア野球界で最強チームとして君臨するようになった。

 しかし1991年のソ連崩壊以降、キューバは経済的に低迷。21世紀に入るとアメリカに亡命してメジャーリーガーになる選手が続出した。

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