元ヤクルト監督・真中満氏のインタビュー第2回は「監督就任編」。時代を先取りしていた? 真中監督の「効率重視」の組織論や、2015年の劇的なリーグ優勝の裏側を振り返ってもらった。〈全3回の2回目/第1回、第3回も公開中です〉

監督就任で打ち出した画期的な施策

 2015年シーズンからヤクルトの監督に就任した真中満氏が打ち出した施策は画期的だった。託されたのは2年連続最下位に低迷するチーム。いわゆる“昭和的”なやり方なら、とにかく練習量を増やし、厳しく鍛え上げるのがデフォルトだが、真中氏がとったのは選手の自主性を重んじ、無駄を省く効率重視の方針だった。キャンプでは不必要な自主練習を排し、首脳陣にアピールするための「“見せ練”禁止」を呼びかけた。

「一般の会社でも同じかもしれませんが、長時間働いていることが評価されるとか、上司が見ている前では一生懸命仕事するとか、そういう無駄が僕は好きじゃないんです。先輩が残って仕事しているから後輩も帰れないなんて、本当に意味がない。

 野球でも練習をする時はみっちりやって、体がしんどかったら早く休めばいいと思う。それを指導者側がはっきりと発信することで、若い選手がやりやすくなるんじゃないか、という思いがありました」

自主練習はあえて見に行かない

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 とはいえ、監督が姿を見せれば選手たちは当然意識してしまう。真中監督はキャンプ中、あえて選手たちの自主練習を見ることはせず、シーズンに入ると休養日のクラブハウスには絶対に現れなかった。

「僕が現役の時にそうだったんだけど、自主練習って自分で考えてバッティングをしたいんですよ。独自のことをやりたいのにコーチや監督が見ていると、指導された通りやらなければいけない。

 あと、その選手の練習量を見ることを采配に影響させたくないという思いもありました。あいつ休みの日まで練習していて頑張っているな、じゃあ試合に出そうか、というのはプロじゃないと僕は思うんですよ」

 自主性を重んじる裏側にあったのは、徹底した能力主義だ。

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