<広・神>7回1死二塁、打席に立った石井は投ゴロに倒れる(撮影・大森 寛明)
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 球場がどよめいたのは7回の攻撃だ。1点リードの1死二塁で、その前の回から登板した石井が打席に入った。3年ぶり2度目のプロの打席が投ゴロに終わると、その裏は走者を背負いながら得点を許さず。2年ぶりの2イニングを無失点で切り抜けた。ゲラ、岩崎への橋渡しをして今季初ホールドを挙げた。

 「1イニング目を投げ終わって“次もいくぞ”ということだった。チャンスだったけど余計なことをしたらアカンなと(笑い)。今後、そういうこと(複数回)も増えると思う。次への糧にしたい」

 昨季56試合に登板した中継ぎの主力に回またぎをさせた狙いを、藤川監督は「そのへんは、はい」と、言葉を濁した。この日のように残り4回でリードしていれば、石井、桐敷、ゲラ、岩崎に1回ずつ託すのが自然な流れと思われた。しかし、現役時代に「JFK」の一角として名を馳せ、救援を知り尽くす指揮官が打った手は、周囲を驚かせる「石井2回」。完封まであと1死の場面で、ピンチを背負っていた村上を下げた開幕戦に続く球児流采配だった。

 「型破りリレー」は他にもあった。4回5安打1失点で粘っていた先発の富田を、5回に代打を送った。万が一、打席に立ってつながれば、勝ち投手の権利を手にする可能性があったが、「役割は十分果たしてくれた」とスパッと代えた。2番手は工藤を投入。同点の5回なら、延長戦突入を考慮して複数回登板を計算できる及川らが選択肢の1つながら、オープン戦で1イニング限定でしか投げていない期待の新人に初舞台を踏ませた。

 結果、2番手以降に5投手を送り込んで2連勝とし「開幕2日目でブルペン陣がつないで勝利を取ってきた。今日は本当に大切に、大切に、大切にゲームを送った上で取れたのは、非常に大きい」と一丸の勝利を喜んだ。2回を投げた石井、2連投した岩崎を3戦目のベンチに入れるのか――。豊富な知識と柔軟な発想を合わせ持つ藤川監督の打つ手は読めない。(倉世古 洋平)

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