「デスターシャ」ポーズを決める弟のトカチョフ・ヤン(左)と兄のトカチョフ・サワ(撮影・西川 祐介)
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 デスターシャ!――DeNA・佐野恵太外野手(30)が22年3月27日の広島戦(横浜)でホームランパフォーマンスを初披露してから、27日で“3周年”を迎える。ファンに浸透した一方、そもそもデスターシャとは一体何なのか?生みの親で両親がウクライナ人の人気ユーチューバー「サワヤン兄弟」に直撃した。(取材構成・大木 穂高)

 ――3年前の「3・27」に佐野選手がデスターシャを初披露した。
 サワ「国民の休日にしよう!」
 ヤン「それは大げさだよ」

 ――まず、デスターシャとは何なのか?
 サワ「ですよね。皆さんロシア語とか、ウクライナ語で意味を持っているとか言いますが、全て誤報です。母国には関係ございません」
 ヤン「造語です」

 ――つまり?
 サワ「20年2月のYouTube開設時に“どうもっ、皆さんサワヤンチャンネルです”とあいさつしたら雰囲気が暗かった」
 ヤン「で、“サワヤンチャンネルですっ~”と強く言うようにした」

 ――そこから変化?
 サワ「そのあと“です”で終わるより日本語の“どこから来ましたと”とか“何何を言いましたと”の“と”を力強く付けた」
 ヤン「初期は“サワヤンチェンネルですと~~”だった」
 サワ「そこに気合を入れるときの“シャ”を付け、拳を握った」
 ヤン「アントニオ猪木さんの“ダーッ”みたいな感覚。勢いです」
 サワ「さらに“ですと~~(いったん間を置いて)シャ!”が、響きが変化して“ですた~~シャ”になった」
 ヤン「それが“デスターシャ”です」

 ――佐野選手が最初にパフォーマンスしたときは驚いた?
 サワ「佐野選手を知らなかった」
 ヤン「デスター(チャンネル登録者のこと)の方に“何か凄い人がデスターシャしてるぞ”と知らされ…」
 ヤン「調べたら首位打者(20年)も獲った大物が“デスター”だったことを知った」

 ――佐野選手は当時「サワヤンの大ファン。いつかデスターシャをしたい」と言っていた。
 サワ「スポニチさんが最初にデスターシャ初披露を一報したと聞きました」
 ヤン「ありがとうございますっ!」

 ――2人のポーズと佐野選手や牧選手のポーズは違う。
 サワ「彼らは一度手を胸の前に出して揺らす」
 ヤン「ファンと息を合わせるために」
 サワ「台パン(机を叩くサワの代名詞)ポーズは一緒。台パンは重要。僕らはデスターにおまじないをかける意味で、両手指を顔の前で2本立て、クルクルまわしてから“シャ”とやる」

 ――昨年は日本シリーズを制覇した。
 サワ「凄いことですよね。でも、自由でいいんです。球団さんともコラボさせてもらっている。どんどんいきましょう!」
 ヤン「牧選手は侍ジャパンでやってくれた。世界のデスターシャになるかもしれない!」

 ――28日にプロ野球が開幕する。
 サワ「今年も開幕からデスターシャをさく裂してもらいたい」
 ヤン「そして皆さんが野球を楽しむ上の一つとしてデスターシャがあればいいですね」

 ――では、最後に2人で。
 サワ&ヤン「お~、お~、デスターシャ!よし、決まった!」

 ◇サワヤン兄弟 1995年10月14日にウクライナ・キーウで生まれた29歳のトカチョフ・サワと、2001年5月14日に日本で生まれた23歳のトカチョフ・ヤンの兄弟。ともに国学院久我山、慶大へ進み、サワは卒業後サラリーマン。20年2月にヤンを誘いYouTubeの「サワヤンチャンネル」「サワヤンゲームズ」を開設。それぞれ登録者は100万人を超える。

 ≪佐野「“流行語大賞”までたどりつきたい」≫22年3月27日の広島との開幕第3戦。佐野は2―4の5回に1号ソロを放ち「デスターシャ」を初披露した。当時はファンも無反応。ベンチ後方で山本と知野が小さく一緒にポーズを取っただけだった。その後、牧、桑原が続き、知名度が上がった。佐野は「多くのファンの方にも浸透するまでになった。この間、サワとも話し合ったんですが、この勢いでリーグ優勝、日本一と駆け上がり“流行語大賞”までたどりつきたい」と声を弾ませ、牧も「このパフォーマンスを始めてよかった。広がったのは、サワヤンさんやファンのおかげ」と感謝した。

 【取材後記 】とにかく2人とも頭の回転が速い。30分予定の取材時間は気づけば40分。矢継ぎ早トークが続き、あっという間だった。
 兄のサワはウクライナで生まれた。3歳のとき父の仕事の関係で来日。野球は小学校1、2年時に少年野球チームに所属しただけで、以降はバスケットボールに夢中になった。「佐野さんと知り合う前は正直野球は全く見ていなかった」という。今はすっかり詳しくなった。
 弟のヤンは日本生まれ。兄と比べると少し控えめでも、トークはキレキレ。「YouTuberはとにかく感覚。深い意味を追求しない」と口をそろえる2人の言葉通り感覚と勢いで圧倒され続けた40分だった。(大木 穂高)

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