ついにオープン戦も終了し、今週末からシーズンが開幕するプロ野球。キャンプ終了時点で考察した中日ドラゴンズの戦力整備状況は、オープン戦を経て最終的にどうなっているのか。開幕直前のこのタイミングで考察してみたいと思う。
↓キャンプ終了時点の考察記事
中日ドラゴンズ戦力考察 ~キャンプ終了時点~|十兵衛
1. 先発投手
キャンプ終了時点は、大野雄大・柳裕也・髙橋宏斗・金丸夢斗・松葉貴大の5名が確定、残りの枠を松木平優太と中西聖輝・櫻井頼之介が競うと予想していたが、最終的なローテは開幕のマツダが柳・櫻井・髙橋宏、次のホーム開幕カードが金丸・中西・大野雄となった。柳以外は順番の明言までは無いが、おそらくほぼこの並びだろう。オープン戦を通じて櫻井頼之介・中西聖輝のルーキーコンビは文句のない内容でローテ確保。一方で松葉は調整遅れが否めず、松木平優太も結果を残せずにローテ入りとはならなかった。
中日ファンの中で波紋を呼んでいるのが、開幕投手に指名された柳裕也。指名後の侍ジャパン戦・楽天戦で炎上し、最後のロッテ戦も安心させる内容ではなかった。他の先発陣が順調な仕上がりを見せ、かつ髙橋宏・金丸のWBC組が想定より早い帰国となった中で、柳の指名撤回を叫ぶ声は強い。それでも井上監督は、柳の開幕プランを崩さなかった。その背景には、他の選手も自身の登板予定日から逆算して調整を進めている中で、今さら方針を変えられないという事情はあるだろう。
開幕投手と言えば、古い中日ファンであれば記憶に残っているだろう2004年。就任初年度の落合監督は、開幕投手にFAで入団以降ケガに泣かされてきた川崎憲次郎を指名した。エース格の山本昌や川上憲伸が居る中での奇策。この采配の背景を、後に落合氏は「川上を他球団のエース級に当てる事を避けるため」と述懐している。開幕投手の宿命は、初戦に投げて以降も各球団のエース級とマッチアップするという事。どのチームも中6日でローテを回す以上、それは必然な流れとなる。「自チームのエース格を、相手球団のエース級から逃がす」という消極的な采配に批判は当然あろうが、中日は「5年連続Bクラス」のチームである事を忘れてはいけない。低迷にあえぐチームが、トータルで見て勝利数を最も稼げる選択を採るのも、戦略というものだ。幸い、今季は「WBC」という髙橋宏斗や金丸夢斗を開幕から回避させるエクスキューズも存在するのだから。以上を考えると、自分の中では開幕投手は柳裕也でも、悪くはないチョイスと考えている。
今季の開幕ローテを考えるうえで、当面のポイントは「開幕2週目以降は週5日が続く」という事。最初の週を終えれば、先発投手は6枚も要らない。現状の6枚に加え、カイル・マラーや涌井秀章も一定の成績を残している今の状況を考えれば、髙橋宏や金丸は固定させるとして、残りの枠は投げ抹消させて別の誰かに変えるという組み方も充分に可能。そういう意味でも例年になく、層は厚くなったと見て良いのではないだろうか。
そして現状のローテ案は、別記事で何度も言ってきた私の個人的な希望である「開幕4カード目のハマスタに、比較的相性の良い金丸と松葉を当てる」事も可能な編成だ。まだ調子の上がらない松葉だが、おそらく投げるであろう次週前半の2軍阪神戦で、キッチリと調子を合わせて頂きたい。
2. 中継ぎ投手
松山晋也・清水達也・齋藤綱記の離脱により、不安視された中継ぎ陣。ただオープン戦を通じて、藤嶋健人・橋本侑樹・勝野昌慶・近藤廉は好調を維持。そこにWBC帰りのアルベルト・アブレウとウンベルト・メヒアも加わって、ケガ人が出ている割にはまずまずのメンバーが揃った。おそらく開幕は9人登録となる中継ぎ陣は、上記の6選手に加え、梅野雄吾・根尾昂・牧野憲伸あたりが入るものと思われる。
松山の復帰は、開幕翌週頃。それまではクローザーにアブレウ、セットアッパーは特に固定せず、藤嶋・橋本・勝野・近藤・メヒアの中から調子を見て、という流れになりそう。まずは松山が戻るまで、この編成で乗り越えられるかが最初の課題。戻って以降は、アブレウをセットアッパーに移行させるという形か。いずれにしても、昨シーズンは開幕から中継ぎ陣を酷使したことにより、中盤戦以降に投手陣が崩れた事がBクラスの要因ともなった。無論、得点力不足の野手陣に根本的な原因がある事は事実だが、首脳陣には中継ぎ陣の消耗を最小化させる計画的な差配を、是非お願いしたい。
3. 捕手
捕手は、キャンプ終了時点から大きな陣容の変更は無し。石伊雄太を基本線に、木下拓哉と併用。ともにオープン戦は打撃好調で、攻撃力で見ると昨年より上積みはありそう。これに第3捕手の加藤匠馬を加えるまでが1軍。他の選手は、2軍で実戦経験を積むという形になる。秋季キャンプから期待されてきた味谷大誠が1軍候補にも名を連ねられなかった点は、非常に残念。
4. ホットコーナー
ジェイソン・ボスラーが負傷により開幕絶望という点が、キャンプ終了時点からの最も大きな変化。ただ幸い軽傷であり、かつボスラーの代わりも福永裕基が入る事で、大きな影響は無さそう。オープン戦終盤に来て、少し福永の調子が落ち気味なのが懸念材料ではあるが。
石川昂弥は、開幕1軍に入るかは微妙な情勢。昨秋から期待され続けてきたが、今年も依然成長を見せる事が出来ないままでいる。一方、楽天より移籍の阿部寿樹は、シーズンまでにキッチリと合わせてきた。ミゲル・サノーのバックアップや右の代打枠として、活躍の場面もありそうだ。キャンプ前は体調面で不安視されたサノーは、キャンプ~オープン戦と完走する事が出来た。もう少しシェイプアップは必要と見受けられるが、少なくとも現時点で戦力として考えられる状態にあるのは、好材料と言えるだろう。
5. 二遊間
キャンプ終了時点は遊撃候補に挙げられていた辻本倫太郎だが、やはり実戦の中で送球難を露呈。井上監督からの明言は無いものの、二塁を田中幹也vs辻本倫太郎、遊撃を村松開人vs山本泰寛という構図となっている。
キャンプMVPにも選ばれた辻本は、オープン戦前は個人的に懐疑的な部分もあったが、実戦を積み重ねる中で確かに打撃面の成長を見せている。ホームランウイングの恩恵を受けたにせよ、侍ジャパン戦・オープン戦で1本ずつのホームラン。守備も含めたトータルで考えて田中の後塵を拝すというのは致し方ない判断だが、それが勿体ないと感じさせるほどの活躍。この点は、自分の見立てが甘かったと認めざるを得ない。ただ、辻本と同じく打撃好調の樋口正修に、もう少しチャンスを与えて欲しかった。現状は外野での起用が多いが、田中のバックアップ枠という役割でも期待できるほど、こちらも打撃面は向上していると思うのだが。
遊撃手は、守備力を考えると村松も山本も充分だが、どちらも攻撃面で結果を出せず。開幕までに、唯一埋まらなかった枠と言えるだろう。決定打に欠ける両者の戦いは、シーズンが始まって以降も続く形となりそうだ。とりあえず開幕戦は、左右相性を考慮して山本がスタメンとなるか。
6. 外野手
外野手は、上林誠知の離脱が最も大きな課題。ケガの程度が判然とせず、結果として復帰時期も不透明だ。本来であればその枠を埋めるのは鵜飼航丞・ブライト健太であるべきだが、鵜飼は結果を残し続けてはきたものの最後に息切れ、ブライトは未だ好不調の波が激しいという状況。その中で、最後の追い込みでオルランド・カリステが一番手に名乗りを上げた点は、残念な反面、助かったと思うべきだろう。カリステで当面は凌ぎながら、鵜飼・ブライトの復調、上林の復帰を待つ形としたい。また可能であれば、ボスラーの外野守備も平行して検討いただければ、上林が長引いたとしてもオプションとして機能しそうであるが、如何だろうか。
7. 2025年との比較
最後に、2025年開幕時点との比較を。

変化点は、赤色で表示。昨年の開幕時点に比べると、今年は随分と見栄えが良くなったと言えるのではないだろうか。先発陣は期待の持てる若手が加わり、中継ぎは松山が戻ってくる想定ではあるものの、外国人投手に加えて勝野と近藤は昨年よりも計算が出来る。野手陣も、ケガに苦しんだ田中や福永が加わり、新戦力としてサノーがスタメンに名を連ねる事になった。
新戦力と現有戦力の底上げ。今年の期待値は例年よりも高い。皮算用通りには行かないのがシーズンというものだが、是非とも今年は、13年間苦杯を舐めた我々ファンの鬱憤を晴らすべく、Aクラス入りを達成頂きたい。
最後の最後に、今週末からの広島3連戦、先発投手予想と星取り予想(希望)を記載して、この記事を締めたい。
3/27: ×中日(柳) – 〇広島(床田)
3/28: 〇中日(櫻井) – ×広島(ターノック)
3/29: 〇中日(髙橋宏) – × 広島(栗林)
まずは勝ち越しでシーズン幕開けを!

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