3月7日、マリーンズは北の大地にいた。歩道の脇には雪が積もっていた。札幌の朝の気温は氷点下を示す。マリーンズはエスコンフィールドでファイターズとオープン戦を行った。開幕2カード目に戦う相手だ。
 
 ゲームは七回、5番DHで出場したソトが一時は1点差に迫る特大の2ランを左翼席に放った。オープン戦1号の強烈なアーチだった。「相変わらず、ソトは感じが良い。ずっと集中できている」とサブロー監督も新主将に全幅の信頼を置く。

 昨年、ソトがプエルトリコに帰国する前。じっくりと食事をしながら話し込む機会もあった。

 毎年、シーズン序盤はなかなか本来の打撃を見せられずにいるソト。「もうスロースターターでは駄目だよ」と伝えた。

 そして本塁打王、ベストナインに輝いたベイスターズ時代の18年、19年の調整法を聞いてみた。

 すると「オープン戦から試合に沢山 出ていた。それがよかった」とソトは言った。

 だから「来年はそれで行こう」と提案した。

 2人で開幕からフルスロットで最後まで走り切ると約束を交わし、ここまでオープン戦、試合に出続けながら好調を維持している。そしてプレーだけでなく、精神的支柱としてもチームの中心として引っ張ってくれている。

 あれは3月1日・帰京前の宮崎県都城での最後の一日のことだった。ロッテ・ジャイアンツとの練習試合を終え、ベンチ前に選手たちが集まった。その中心にはいつも通り、ソトがいた。 

 「お疲れ様です。このキャンプ、みんないい時間を過ごせたと思います。ボクたちは優勝をしたい。小さいことの積み重ねですが、これからより良くなるためにみんなで頑張っていきましょう。毎日、このチームは一致団結していっていると思います。これを続けていきましょう」。

 そう仲間たちに伝えると日本語で「一本締めいきます!」と流暢に音頭をとり、両手を叩いた。大いに湧いた。

 様々な思い出と共に静かに去っていこうとする冬と、遠くから近づいてくるまだ見ぬ春の足音。エスコンフィールドの外では試合後も、シトシトと雪が降っていた。試合は3対5で敗れた。「今、この時期にミスとか課題が出てよかったのですけど・・・」とメディアに対して指揮官は語った。そして「残り時間は少ないけど、それぞれの状況判断とか、まだやっていかないといけないことがある。色々と埋めていかないといけないことはある。自分らで修正しながら結果を出して欲しいなあと思います」と続けた。先発の田中晴也投手に関しては「悪くはなかった」としながらも「自分のことを意識して相手のことを見ていなかった部分があったのかなあとは、ベンチから見ていてボクは思いました」と感想を述べた。

 雪が舞う。雪中春信(せっちゅうしゅんしん)。厳しい冬を越え、新たな希望が芽吹いていく。今は日々、改善し、修正し、反省しながら成長していく時。来たるべき時に向けてより良い形に仕上げ、磨いていく。

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