「篠原響。背番号84」
侍ジャパンの先発投手を告げるアナウンスに、なんとも言えないどよめきが起きた。2月23日に行われたソフトバンクとの壮行試合第2戦。TBS系で地上波中継もあった注目の試合で日本代表の先発マウンドに立ったのは、埼玉西武ライオンズからサポートメンバーとして急遽合流した無名の19歳右腕だった。
そもそもなぜ、サポートメンバーが先発投手を務めたのか。端的に言えば、理由は“予行演習”である。3月のWBC本番では所属チームで先発を担う投手が「第2先発」、「第3先発」として登板するケースが多くなるために、準備段階のプロセスや試合の流れに入っていくためのシミュレーションをする意図があった。
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しかし、「なぜ篠原響投手だったのか」といえば、そこにはちょっとした裏事情がある。
緊急連絡「投げられる投手がいない」
そもそも宮崎での壮行試合で先発を予定していたのは、第1戦が曽谷龍平投手(オリックス)、第2戦は当初からサポートメンバーとしてチームに参加していた同じ西武の糸川亮太投手だった。
ところが、試合の5日ほど前になり事情が変わった。
「投げられる投手がいない。もう一人、誰か出してくれないか」
侍ジャパン側が西武に連絡を入れたのは直前の19日のこと。この時点で宮崎県内でキャンプを張る一軍はソフトバンクとオリックス、西武の3球団。その中で最も代表選出が少ない西武にお鉢が回ってきた。各チームとも投手陣は1カ月後の開幕に向けて調整段階に入っており、開幕投手候補の隅田知一郎投手がサポートメンバーから代表入りに“昇格”していた西武も事情は同じだ。しかし、将来のエース候補として期待される19歳に経験を積ませる意味でも首脳陣が快く背中を押し、登板3日前の20日に本人に大抜てきが告げられた。
篠原はソフトバンクの上位打線を相手に1回を無安打無失点に抑え、ストレートは最速153kmをマーク。ルーキーイヤーの昨シーズン、一軍で2試合先発を経験したポテンシャルの高さを見せつけ、堂々の“お披露目”を済ませた。
第2先発として西武の後輩からバトンを受けて登板したのは隅田。こちらは安定した投球で2回を2安打無失点に抑え、前回のライブBPで課題を残したピッチクロックやピッチコムの対応にも手応えをつかんだ。

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